金沢、大阪、京都のライブ用最終リハーサル。
今回はそれぞれ、曲順が違うといった違いではなく3箇所のライブの温度感が違うので、通しリハーサルもモードをリハ内に変えて進めないといけない。これが思っているより頭の中の整理が大変なのだ。曲中のテンションは同じで、繋げて一本のライブになった時に違う形にするというのは本当に難しい。でもこれがちゃんと出来たらきっと旅の終わりはいい形で迎えられる。
初日の金沢メニューは、リハーサルをやっていても緊張をする。だがステージのど真ん中に立つのはプレッシャーが格段に違う。一番ピリピリとしてもよさそうなのに、こんな時にも「いやん、どうしよ〜〜〜っ」なんてことを祐民子ちゃんは言ったりしない。すごいなぁと思う。
スタジオを出ると外は夜だった。音楽スタジオは窓がない所が多いので、天気や日が沈んだかもわからずに過ごしているが、道路が雨に濡れていてたくさん雨が降ったあとがあった。スタッフの人によるとさっきは激しい雨が降っていたのだそうだ。
「洗濯ものがぁああ・・・」
祐民子ちゃんはガックリしていた。
旅支度や家を空ける準備が私も出来ていない。今日私は洗濯をしそびれて失敗したなぁと思っていたが、結局は頑張って洗濯をした方がうなだれることになるとは。
「そのまま干していたら、また乾くよ」
と、大山氏がなぐさめていた。
確かに。
あぁ、無情。天気はこうして、人の暮らしを時折オセロゲームのように簡単に裏返すのであった。