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投稿日:2007年09月13日

2007年09月13日

ライブが終わるとレコーディング作業が続く。今はキーボードの小泉信彦さんとのコラボ期間、ビバルディの四季「春 第一楽章」の第一稿のデモを小泉さんから受け取ったが、とても上質なセンスのいいデモで、先輩、さすがだなぁと思う。
小泉さんはこの夏、並行してツアーやライブを抱えていて、表向きのスケジュール以外にもレコーディングや自宅作業がてんこもりだったので、個人的にはいたわりの気持ちでいっぱいだったのだが、「こちらもよろしくお願いします!」と明るい口調で作業をいっぱい押し付けていたのだ。
小泉さんの音楽は懐が広い。リクエストを受ける立場にある時はどんな困難なことでも、ポーカーフェイスでそのリクエストに応えられて、ご自身の音楽をやるとなればそこでは見なかった別の引き出しからスルスルと音楽が出て来る。
私は過去に於いて、自分にはそんなつもりはなかったが生意気なやつとして、「先輩」にガツンとやられたりすることがたまにあったので、どちらかと言えば「先輩」に対して心をちょっと閉ざし気味の傾向にあるが、小泉さんは数少ない自分が心開ける先輩の一人なのだ。
この「春」をやりたいと言ったのは私で、誰でも知っている非常に触りにくい曲だ。非常に触りにくい題材だからこそ、小泉さんにだったら料理してもらえるという期待があった。尊敬する音楽家なのだ。
第一稿デモをもらうと、今度は同時進行で別作業に分かれる。この「春」は同じタイトルでウイリアム・ブレイクという詩人が書いたとても柔らかくシンプルな詩があって、曲にこの詩のリーディング素材を散りばめていくのだ。今度はこの詩をまずリーディングしてもらう作業があるので、私はリーディングを頼みに行く方を担当する。
ワンワン!
私は時々、突進する。
あの人に頼みたい!
他の曲でこの後お願いをしたいなと思って、密かに企画をあたためていた岡崎のぞみさんに突進をする。のぞみさんは語学に堪能なだけでなく、芝居やセリフについてのお話を何度か伺ったことがあって、言葉をとても大事にご自身も言葉を仕事をされている女性だ。
確か私は石橋を叩いて渡る性格のはずだが。
血液型を聞かれ、「あぁ、A型の感じがしますよね」とよく言われるのだが。
場所によっては”内気”と言われることもあるのだが。
時々、突進する。
今年は亥年。
あちこちに電話をしてのぞみさんを捕まえ、リーディングのお願いをしてそのまま今日、資料を届けるというところまで突っ込んでいった。突進は、辞書に何とあるのか知らないが”強引に押し掛ける”というのが私個人的な意味らしい。
突進した先で寿司をご馳走になった。
帰り道にふと猪から人間に戻ると、少し自分の行動を恥ずかしく思ったのだ。
何故、こんなに長い文章になるんだろう。
一行でまとめることも出来るのに。
「今日はレコーディングで、夜はお寿司を食べました。」
燃えると突進をする傾向にある。
時々、私は突進する。