今回の旅は、体調が心配なので無理をしないように、眠たくなったらまず睡眠を取る。無理やり現地時間に身体を合せない。目が覚めたら起きて、眠くなったら寝る。3時間起きて3時間寝るパターンで一日に何度も寝ている。
遅い朝ごはんは駅前の大きなショッピングモールの地下に買い出しに行く。
スーパーマーケットが大好きなので、お目当てのスーパーに向かうと途中でボードゲームなどちょっとしたお洒落なゲームを売っている店を見つけたので入ると店員さんに声を掛けられた。
「このゲーム、教えましょうか?」と言っているらしい。会話能力がないのでこれはちょっと難しいぞと思ったのだが、もう流れはレクチャータイムに入っていた。
最初にめくって前に出された2 枚のカードに絵がそれぞれ5つぐらい書いてある。幼稚園の受験の時に受けたのに似ていてサボテンだけが共通したイラストだった。
が、その先の店員さんの英語がわからないのだ。
ビッグと言っていて、サボテンの大きさが違うということを言っているのかしら。
うーん、うーん、うーん。
あれ。私はナゾナゾやゲームやクイズなんて大嫌いだったはずじゃないのか。
目の前の東洋人が英語が苦手だと察知した店員さんは、「OK!」と言ったあとに機転をきかせて言葉使いをもっと優しくしてくれたのだが、もう私の方がやる気がなくなっていた。
「sorry,thank you.sorry…」
ごめんなさい。
日本語でもナゾナゾは答えられないんです。
店員さんは私に説明が出来なかったこと自体にガッカリしたみたいで、頭を抱えていたので申し訳ないことをしてしまった。こんなに真面目に接してくれるだな んて思いもしなかった。だって、こっちに来てから度々英語が理解出来ずに困ることはあったが、親切に付き合ってくれる人は居なかったし、途中でイラっ とされて急に話がまとまったり了解してもらったりで適当にあしらわれていたからだ。
ごめんね、店員さん。あなたはおもてなしの心がある人だったわ。ありがとう。
ホテルに戻って朝ごはんを食べたら今日は市内交通のパスを使って、出掛けてみよう。食べたら早速また昼寝をして、起きたら出掛けることにした。
行き先を特に決めずに来た乗り物に乗る。まず最初に乗ったのがミュニメトロと呼ばれている路面電車。可愛いレトロな風貌で各国から集められたものなのだそうだ。そういえば色や形も統一されていない。去年訪れたミラノを走っていた路面電車も サンフランシスコに来ているらしいので、乗れたらいいなぁ。
適当に降りて次はミュニバスというバスに乗る。こちらに来てから、日本では ほとんど見掛けないぐらいのすごく太った女性をよく見掛ける。移動するのもしんどそうなのに、手には甘いシェイクを持っていたり座るとクッキーを鞄から出 して食べていたりする。うーん、どうなんだろう。
乗ったバスは中華街を走るバスだったようで、思ったより長く中華街の中を走っていた。旅行者が多いのと暮らしている人種もさまざまなので、日本人でも全く浮かない。ネイティブだと思われて話し掛けられてあたふたするぐらい溶け込んでいるみたいだ。
信号待ちで「生猛泳海鮮」という看板があった。
めっちゃ元気に泳いでいる海鮮。
”めっちゃ美味しそう!”
と、人は言うのだろうが
私の場合想像力が変な方向へ行ってしまい、食べ物でなくどう猛な魚に思えてきてしまうのだ。
その下には「生猛家禽項鶏」とある。
”めっちゃ美味しそう!”
とは思えず・・・。
ものすごくグロテスクな鶏に追いかけられるという図が頭に浮かんで、更に食欲がなくなってきてしまった。
いきなりそんな想像が出来るだなんて・・・。中国語の方がまだ理解が出来るんだなぁと、半年ぐらい英単語を頑張って勉強した身としてはちょっと複雑だった。
バスを乗り継いで最終的にはケーブルカー乗り場に着いたのでケーブルカーで戻って来ることにした。少し前にテレビで終着駅に着いたらケーブルカーは人力で 向きを変えることを紹介していたが、間近でそれを見ることが出来た。肩で係の男性がうんしょとサンドバッグみたいなものを押すと回転式の床が回って向き が反対向きに変わる。バスやメトロと違って乗客はみんな旅行者だ。
ホテルに戻る前に近くのバーガーショップでシェイクを注文した。
ホイップクリームは入れるの?という言葉はわかったぞ。やった。
しかし受け取ったシェイクはイチゴ味ではなかった。
これ?何味?
最後まで飲んだ頃になってようやく、多分クッキークリーム系の味だとわかった。
「ストロベリー」は通じなかった。
だが、だからといってなぜそれがクッキークリームに聞こえるのか。
ようわからんのである。
部屋に帰ったら昼間食べきれなかったいなり寿司を食べた。
物価は高めの印象。いなり寿司3 個で400 円強。
味は美味しかったのでマルとしよう。