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投稿日:2008年04月06日

2008年04月06日

大学のサークルの同期だった”しんえいちゃん”が、仕事でこっちに来ているということなので、夜ご飯を一緒に食べることになった。
しんえいちゃんは、実家のある仙台で住職さんをしている。東京にはちょくちょく仕事で来ているそうなのだ。
しんえいちゃんとは学生の頃に一緒にバンドをやっていて、私はその時はバンドのキーボードだった。しんえいちゃんはボーカルで作詞作曲、当時の私は歌など歌う気配もなく完全洋楽志向だったのが、一緒にバンドをやったことで”ポップスのオリジナル曲”の面白さに目覚めたのだった。タイプとしては元米米クラブの石井さんっぽい感じで、しんえいちゃんの場合は歌が下手だったが、とにかくアイデアマンで面白い企画を次々に立てる。バンドもソニーやヤマハのオーディションの関西四国地区まではいつも残っていた。
大学を出たらしんえいちゃんは実家に戻って家業を継がなくてはならなくなった。キーボードという位置だと、ボーカルが居なくなればバンドはなくなるんだと、私はあの時に自分で歌い自分が中心となるバンドを作る決心をしたと思う。そこから私は一年考えてB#を作ったのだった。
しんえいちゃんとは卒業をしてからも親交は続いている。今でもちょくちょく会っていて、毎回話の中心は「音楽」のことになる。関係としては「今の日本の音楽」についてしんえいちゃんが語り、それを私が聞くという図でそれは学生の頃から何も変わらず、現在は多少なりとも私の方が詳しいと思うのだが、今日もしんえいちゃんの「音楽を語る」タイムに突入をしたのだった。
「早くて3年。遅くて10年。」
しんえいちゃんはこれから本格的に住職さんの仕事と音楽を両立させるらしく、遅くても10年後には成功させると言うのだ。
そして私を成功させてやると言っている。
たまにあるのだ。
こういう話をされることが。
私も卒業をしてから今日まで音楽を仕事として来ている。至って本人は現在も夢に向かって明るく進んでいるつもりなのだが、こういう時に「一体何をして毎日過ごしているんだろう」「どうやって生活してんだろう」と、自分が謎に思われていることをあらためて感じるのである。
六本木ヒルズの桜ももう葉桜になっていた。
私はいつかこの六本木ヒルズに、成功して家を買ってもらえるらしい。
今日は待ち合わせの場所がわからず、六本木ヒルズの中の地図をさんざん見たが、10年後の私は恐らくダンボを連れサンダル履きで鼻歌を歌いながらお買物をしている・・・のである。