最近、すこ〜しずつなのだが、蝉の死骸を見るようになった。
蝉の死骸は生きているのと見た目が変わらない。なので蝉の姿からの判断が難しいのだ。道の真ん中に動かずにずっと居る。とか、そういう状態でいるうちに車に轢かれて、それでようやく状況がハッキリわかるといった具合いなのだ。
家の前に数日前から居るあの蝉は、もう死んだ蝉なのだろう。
が、綺麗なままなのだ。
「もしもし」
「もしもし、生きていらっしゃいますか」
数日前から、玄関を出ると心の中でこう話し掛けていたが、数日ここで生きていたらジっとしているわけはないので、もう死んでしまった蝉なんだろう。
ずっと放っておくわけにも行かないので、片付けようとは思うのだが・・・・
触れない。
昔は平気だったのに、今は3メートルは離れて居ないと恐怖で心が乱れる。
かつてはミーンミーンと鳴いていた。
それがやがて「ミミッ」「ゲゲッ」と鳴くようになる。
ごめんね。
もう今はアナタ達が怖いんです。
死んだと思ったら、急に復活して飛んで来る。
蝉が顔に飛んで来てとっても怖かったと言っている知人が実際に居る。
小さいゾンビ。
ごめんね。
コワイんです。
「え!!死んだんじゃなかったの!?」
と、驚く所が共通点。
木でなく、道に止まっていたら要注意。
蝉は夏のゾンビなのである。