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投稿日:2010年09月08日

2010年09月08日

神経内科の外来日。
目覚めたら雨が降っていた。東京は一ヶ月ぶりの雨なのだそうだ。恵みの雨なのだが、今日は検査の結果が出ているであろうその内容を聞くことになるので、雨戸を開けても部屋が暗いとちょっと憂鬱になる。
いつもは結構待たされる診察。
今日は名前を呼ばれるのが早かった。
昨夜はなんだかあまり眠れなかった。
もし転移をしていたら・・・・。
これからの治療方法も違って来るし、継続した仕事は出来なくなる。もちろん今後東京で一人で暮らしていくのは無理だ。じゃぁ実家に帰れば、年を取った父に世話になれるのか。父の感じからしたら無理だ。どうしよう。いろいろ考えてみたものの一人で生きて行く方法が思いつかなかった。
「検査の結果が来ているみたいですね。見てみましょう」
まずPET検査の全身の画像が開いた。
「この検査が絶対というわけではないですが。これで見る限りは転移はないですね」
胸腺腫の画像がアップになると「腫瘍も悪性度の低いもののようですね」と先生が先に口にした。パソコンを見ると、放射線科からの申し送りで”悪性度が低いものと思われる”という所見が私にも見えた。
続いて頭部MRIの診断では、小脳にちょっと異常があると言われたが、転移のことが一番心配だったのでそのことについてはなんだかおおらかな気分で聞き流していた。
「詳しくはまた明日呼吸器外来で聞いてきて下さい」
ようやく現在の身体の状況がわかりつつある。
気にしない、気にしないと言い聞かせてきたがずっと気持ちは堅かったのだと思う。今日の検査結果を聞く瞬間が一番怖かった。
「検査の結果から、今後の治療はまず手術を受けてその後放射線治療を受けることに恐らくなると思います」と、おおまかな説明を受けて今日の診察は終わった。
診察室を出たら、フゥっと息がたくさん出た。
ストレスが弾き金になって病気は発症すると言われているが、検査を受けたり結果を待ったりする時間が大きなストレスになるのだと思う。
息を吐いたらほんの少し身体が軽く感じた。
大事にするからもう一回つき合って下さいと自分の身体にお礼とお願いをした。