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投稿日:2010年09月09日

2010年09月09日

呼吸器外科の診察に行く。
「転移はないようですね」
PET検査の画像を見て昨日と同じ診断を受ける。
「で、手術はどうされますか」
「は?」
検査の結果が出たらそれをもとに治療方法を提示されるのかと思ったら、そうではないらしい。
「手術を受けるかどうか決めて下さい。やるならやります」
「は??」
「治療方法は患者さんが決めることです」
それはわかる。だが、検査の結果が出たところで私はまだ何も治療方法を提示してもらってはいない。普通は専門家が治療方法を説明してくれるんじゃないのだろうか。一般的にはこの方法をとる、とか。選択肢としてはこういう方法もあるが、私ならこの方法を勧める。といった話って何もないのだろうか。素人の私に突然自由に選べますと言われても困るのだ。
「私は素人なので・・・・」
治療方法はどんな選択肢があるのですかと尋ねたら、うちは手術部門だから放射線治療については放射線科に行って聞いてきて下さいという返事だった。
それで思い出したことがある。10年前に再手術を受けた時も、手術前になって担当医が外科部から来たがその時、開口一番に”今回はあなたが手術を受けたいということなので、執刀します。でもよくなるかどうかは保証できません、それはご理解下さい”という変な日本語で念押しをされたっけ。なんだか知らないが外科ではこういう「責任の所在」についての口約束みたいなものがあるのかもしれない。
結局、それで放射線科に行きまた神経内科に行き、また外科に戻って診察を受けることになった。
放射線科も神経内科も、ここではデータを見ながら普通に治療方法を説明してくれる。二科共、まず手術を受けてそのあとに放射線治療を受けるのが一般的な治療方法だと説明を受けた。
最後に夕方の5時になってまた呼吸器外科に行く。
「それで、どうしますか」
「手術を受けたいので、どうぞよろしくお願いします」
気のせいかもしれないが、その一言で空気が変わった気がした。
そりゃぁ手術はイヤだ。今日も最初から何かゴネた覚えもなかったが、外科では「手術を受けたいのでお願いします」と患者が自ら言わないといけないしくみがあるのかもしれない。よくわからないが、私の口からお願いしますと言ったらそのあとはトントンと日程調整の話が進んでいった。
13日に手術の予備検査をして入院の説明を聞く。
手術は9月の最終週のどこか。いつがいいですかと尋ねられたのでいつでも大丈夫ですと答えると、手術室を押さえたら病院から日程の連絡を入れます。という素早い返答があった。手術なんて言葉を聞くと、ものすごく特別なことで思う私だが、先生には長年の自分の仕事という感じなのだろう。私が「じゃぁ音源の締め切りはいつですか」と言って、スケジュール帳を確認しているのとちょっぴりダブるものがあった。
朝10時半に病院に行って、病院をあとにする時は夕方の5時半を回っていた。
少しだけ疲れた。長い一日だった。