帰り道、裏道で使っている川沿いの道で飲酒検問をやっていた。
「お疲れさまです。申し訳ないんですが、ここに向かって息を吐きかけてもらえませんか?」
飲酒検問の時には、通常測定器みたいな物を口元に向けられるのだが、うんと昔、一度だけ琵琶湖から京都に抜ける裏道の検問で、「申し訳ないんですが、私の顔に向かって息を吐きかけてもらえませんか?」と言われたことがあった。
「えぇっ?息を・・・顔に・・・ですか?」
「はい、鼻に向かってお願いします」
確かにその人は警察の制服を着てはいたが、見ず知らずの人の鼻に自分の息を吐くだなんて、なんだかとっても抵抗があった。
検問だし・・仕方がないけれど・・。
思い切って息を吐いたが、ダメ出しをくらった。
「もう一度、ハァ〜〜っともっと思い切り吐いてもらえませんか?」
もっと思い切り・・ですか!!
すごく抵抗がありながら、頑張って息吐きをしたのだ。でもその迷いが「思い切り」にはなっていなかった様子。
「ハァ〜〜〜〜〜〜!」
「はい、ありがとうございました」
器械が相手でも「ハァ〜っ」はなんとなく抵抗がある。
飲酒検問は、いつも”遠くに露出狂が立っていた”と同等クラスの<なんでまた・・・>という気分に覆われている私なのである。