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投稿日:2008年12月14日

2008年12月14日

昨夜は、アウルのマネージャーさんのCちゃんと私の女性組は土着民のメンバー、そでやさんのお家に泊めてもらった。
今は干し柿を作っている最中だそうで、軒の所に柿がたくさん吊り下がっている。猫のマリちゃんがおとなしく外をずっと眺めていた。
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ここは中津川。
かつてフォークジャンボリーが開催された地で、フォークの聖地と呼ばれている場所だ。
「空気が美味しい」って言葉があるけれど、ここの空気はほんとうに美味しいというか、澄んでいるというか・・・。都会とはやはりちょっと違う粒子で出来ているみたいだ。
一年の音楽生活のうちの多くを、いろんな町に出掛けて行って演奏している音楽仲間が居る。自分はいろいろな条件が重なって自宅での作業をベースとしているが、旅をしていろいろな人に出会う音楽の旅にはやはりあこがれがあった。
ほんの少しだがそういう音楽友だちが嗅いだであろう同じ感覚を感じることが出来て、”あぁ、このことなのかなぁ”と思った。景色に出会いに行く。人に出会いに行く。自分の知らない感動はまだたくさんある。日本ってうんと広いんだなぁと思った。
今日のライブは午後3時から。
演奏する側も、観る側も靴を脱いでというのがいい。身だしなみをちゃんとして、それで靴を脱いだ時というのは、微妙にバランスの悪いいでたちになる。だけれども、そのバランスがちょっと崩れたところを「ま、いいか」とよしとした時におおらかな間が生まれる。音楽にはそういうおおらかな間が流れているほうが、きっといい。そういうものが音楽の血であり、肉であるんじゃないのかなと思うのだ。
土着民さん達も今日は演奏者、一緒になって音楽をした。
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この鼓土里座は土地の整地や木を切るところから、全てご自身達の手で作られた。露天風呂は私の想像していた原始人が小石を積み上げて出来たものでは全くなく、大きな石で造られた露天岩風呂、しかも温泉だった。
「あまり人には教えたくないんですよ」
とっておきの場所はむやみに人には教えたくない、ということがある。
まさにここはそんな場所だ。
「こんな山奥までようこそ来て下さいましたね」と、みなさんに言って頂いたが、逆に私は初めて秘密基地にやって来るどんな人間なのかわからない東京組のY氏と私をあたたかく迎えてもらったことに感激をした。
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アウルのみんなが「とにかく、すごいとこ!」「来たらわかる」と言って笑っていたのがようやくわかった。
「ふふっ」
今になれば私も同じことを人に言うと思う。
言葉に置きかえられないあったかさが、そこここに漂っていた鼓土里座での2日間だった。