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投稿日:2007年05月24日

2007年05月24日

チェウニさんのライブを観に渋谷DUOに行った。
渋谷DUOには何度かライブを観に来ている。先月は西川峰子さんのライブで初めてステージ上を体験したが、天井が高くゆったりとした空間で、私もとても好きなライブハウスだ。
チェウニさんの新しいアルバム「恋とワインとミステリー」が昨日発売されて、今日はその発売記念ライブのツアー初日。今回のアルバムに私の曲を入れて頂いたので、それが聴けるのも楽しみなのだ。
歌詞と曲の両方セットの楽曲提供は久しぶり。2月中旬に原宿にあるテイチクレコードに行って、プロデューサーのMさんにいろいろお話をしてもらった時に、「はい、頑張ります」としか言えなかったが、帰り道は”こんな曲を書いてもらいたい”というMさんの口から出た言葉達がもう頭の中でいっぱいになっていたのだ。
関係者入り口から入ると、通常の入り口ではもらえない今日のライブの曲順をもらう。ライブコンサートでは、こうしたお客さんには配られないメニューがあらかじめ渡されることが多く、いつもならなんとなくメニューを眺めているのだ。
曲のデモを作った時、自分で仮歌を入れたが上手く歌えなかった。チェウニさんはロングトーンがとてものびやかで、それでロングトーンでこんな風に・・・と思った箇所があったのだが、デモでは自分でそこの息が続かなかった。自分では歌えない曲だ。
チェウニさんはライブでもとてものびやかな声、それに日本語の発音が綺麗だ。だから言葉が歌になった時に胸にスーっと入って来る。MCでも「小さい頃から歌が大好きでした」と言われる通り、歌を歌う人、歌を歌って届ける人だなぁという気があらためてしたのだった。
今までの作品、そして新しいアルバムからの曲をレコーディング裏話を交えながらステージは進み、本編最後に自分の書いた曲を私は聴いた。
迂闊にも自分の曲に泣きそうになっていた。
チェウニさんが歌ってくれたことで、この曲が曲になった。切り離して考えていたつもりだった私個人の歌に対する想いまでもがよぎってきて、それも乗せて、チェウニさんが歌を歌い届けてくれていると感じる歌だった。
どの作品も「出来ました」と言って聴いてもらうだけだが、その過程は私にとって七転八倒でしかない。人に渡す曲も自分が歌う曲も、今までにスラスラ書けたという曲は一曲もない。多作になれないことを悩んだこともある。やり方をもうちょっと別の方法にしたら楽になるんじゃないかとも思ったこともある。だが、誠実に曲作りをしてきたという自負はある。同業者同士もし腹の中を見せ合うことが出来たとしても、そこには自信がある。
だいたいが葛藤の波の中に居る中で、自分のやり方はコレでいいんだと思える時が、ほんのたまに、ほんの時々ある。だがそれは本当にたまにしかやってこない気持ちだ。
今日はそのたまにの日だった。
ステージに、個人的に涙が出そうになったライブだった。