「小さな恋のメロディ」という映画があって、子供の頃度々テレビで放送されているのを観ていた。
ある男の子が少女に一目惚れをする。最初は気にもしていなかった女の子も、そのうちに男の子を好きになって相想相愛になる。だが、そこでまた二人を阻む大人達が出てきてなかなか恋が実らない展開になっていく・・・というストーリーで、「いつか素敵な恋愛をするんだもん!」と夢見がちな小学生の乙女達の心をキュっと掴む可愛い映画だったのだ。
私ももちろん夢見がちな少女だったのだが・・・。
映画のラストシーンで夢から覚めていたのだ。
映画では二人が、もう誰の邪魔もされない所へトロッコに乗って楽しそうにフレームアウトしていき、”ありえへん!”と、急にこの映画を撮った監督への怒りにも似た感情でいっぱいになったのだった。
ありえへん。
絶対にありえへん!
大人に邪魔されずに自分達で生きて行けるわけがない。
だって私もそれまでに何度も田んぼにあったワラで家を作り、そこで一人でやって行こうと試みたのだ。土管や何もない空き地といろいろ物件を考えたが、結局ワラをいくら掘っても積んでもかまくら風の形にはならなかったし、せいぜい私の一人暮らしは夕方になるまでの短い時間しか続かなかった。
どうしたら大人の力を借りずに生きていけるんだろう。と謎に思っていてその答えを知りたかっただけに、トロッコに乗って二人で草原の彼方に消えて行く結末は解せん・・・・・。
お金も持っていないやん。
お腹も空くやん。
あの映画の主役の2人も、もう今では立派な中年男女になったと思う。
トロッコに乗って、それからお互いに紆余曲折あったと思う。
特殊メイクなしで「あれから」のお話が撮れるって、すごくいいなと思うのだ。
そろそろ続編が観たいのである。