午前中、眼科に行ってそのまま電車に乗って吉祥寺で眼鏡を作ってもらった。
眼鏡店に入って思ったのだが、店員さんはみんな眼鏡着用。眼鏡のお世話になっている人が、眼鏡の仕事に就こうと思うのかなぁ。そう言えば「眼鏡屋さんで働く」ということは今までに一度も頭をよぎったことがなかった。本当に眼鏡には縁のない生活を今まで送ってきたんだなぁと思ったのだった。
マイ眼鏡。
鼻のつけ根の所がムズムズして、まだ違和感がある。
それに望遠鏡を覗いているようなあの感覚もまだ消えないので、歩くとやっぱりフワフワする。
店のガラスに映る自分の姿を見ると、仮装をしているふざけた自分にも見えて気が引けるのだが、街の中で誰とすれ違っても、誰も自分の顔を見て驚いたりもしない。
元々、自分の姿はこうだった。
って思って歩けばいいか。
眼鏡ひとつで視界が変わる。
私から見える景色も変わり、鏡に映った私も別人に見えた。
そのうちに慣れるだろうけど。
現実の世界が今日はだまし絵のような錯覚の世界に思えたのだった。