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投稿日:2012年05月04日

2012年05月04日

今日は京都への移動日。5日に拾得で黒川あっちゃんとライブをするので、Y氏の運転でお昼過ぎに東京を出発した。
丁度新東名が開通したばかり。テレビでもサービスエリアの特集をやっているのを何度か見ていたので、今日は新東名を走ると聞かされてとても楽しみにしていたのだった。
それにしてもサービスエリアも随分変わった。バンドの機材車で東京〜京都間を移動し始めた頃のサービスエリアは、トイレがまずどこも汚くて臭かったので利用するのが憂うつだったのだ。休憩といって自由時間をもらえても楽しみに入る店があるわけでもなく、お腹が空いたら毎回消去法で残った選択肢の豚汁セットを頼むというパターンだった。
それが何時の間にかアウトレットパーク並みの広さと充実した品揃えになって、わざわざ高速に乗ってパーキングエリアに遊びに行く家族までいるのだという。
今日は開通したばかりということと、ゴールデンウイークの後半に何処か行こうという人達で、思ったよりも高速が混んでいた。
進んだかなぁと思ったら、またノロノロ渋滞になり…。また流れるようになったかと思えば、急に動かなくなったり。
一緒に行くふじこさんは京都の親戚の家に、そしてY氏と私は実家に泊まる予定なのだが、だいたい9時ぐらいには着けるかなと思っていた予想時刻からかなり遅れをとっていた。
長島サービスエリアで8時半。
「遅くても10時までには着けると思う」と、事前に連絡をしていた父しげおっちに、これは電話を入れておいた方がいいな。きっとしげおっちは昼ぐらいから「まだ来〜へんかな」と楽しみに待っているのである。だからなるべく早めに情報は入れねば…。
ややこしくなる。
そして高速がかなり混んでいることと、予定の時間よりかなり遅くなるから、よければ寝ていてねと電話をしたのだったが…。
おとなしく引き下がるしげおっちのわけがなかったのだった。
長島サービスエリアを出てからしばらくした頃に電話がかかってきた。
「あのな。ワシあれから地図見てたんやけどな」
このままでは、京都のふじこさんの親戚の家に着くのはかなり遅いじかんになるぞ、という連絡であった。
わかっていますとも。
だからふじこさんも親戚のお家に連絡されています。
が、しげおっちはここからが強引なのだ。
「ワシが考える一番ええ案は、そのまま三人で家に来るということや」
もちろんですとも。すごくいい案だと思います。
けれど、もう最初から予定を組んで今更変更に次ぐ変更をすることの方が、場合によって関わる人達をひっかきまわしてしまうこともあるのです。よって今回はしげおっちの案は却下。したいのであります。
「じゃあ、一回考えます」
この場合私がこの答えを即答をすると、キレられる確率が高くなるので一旦電話を切る。しげおっち使いとしては私はかなりの上級者。今までめんどくさいケースにさんざん振り回されて今では妹より策士だと思っている。
しばらくたって、電話をし「今回は、やっぱり予定通りにさせてくださいね」と穏やかに言ってみたのだったが…。
「ワシのアイデアが一番ええねん!み〜んなそう思うはずや!」
私の断りがかなり頭にきたみたいで、繰り返しワシは地図を見ながら喋っとると言い、もう布団も三人分引いたと言っていて、更にはワシの言うとおりにしてよかったとみんなが思うのに、なんであんたはわからんのかとかなりお怒りモードになっているではないか。
もちろん、素晴らしいアイデアですとも。
くそ。こんちくしょう。
私は自分の新たに出したアイデアに変更するのを押しつける人がだいっ嫌いなのだ。そのアイデアはわかる。わかるが、立てていた予定が変わるデメリットも出て来るし本当にケースバイケースなのだ。もう頼むし黙っとってくれ!
と、言いたいのを胸にしまって「お父さん、もう一度考えてみるわ。だからまた一回電話切るね」と、もうワンクッションおいて、電話を切ったのであった。
はぁーあ。
思えば実家に居る時間はワシルールに縛られていた。窮屈でたまらんかった。
そろそろクールダウンしたかな?と、思われる頃にまた電話をしてみた。
「もしもし、お父さん」
やっぱり最初に立てた予定で行動させてくださいと丁寧に伝え、キレないように接すると…
「ほな、ワシあきらめたらええねんな」
と、いう返事だった。
「あきらめる」という言葉が妙に可笑しかったが、ここで笑ってはいけないぞと最後まで怒りを買わないようひたすら言葉には気をつけたのだ。
「ほやけど、ワシの言うこときかへんかったら、夜中の3時になるわ!」と、最後にしげおっちは毒を吐きよった。
が、こうして話はようやく丸く収まったのだった。
ふじこさんを京都で下ろして、高槻の実家に着いたのは11時過ぎ。しげおっちの予想をはるかに前倒しをして思ったより早く到着した。
あんなにごねていたしげおっちだが、思ったより早く着いたので一気にご機嫌モードで迎えてくれた。やっぱり今か今かとずーっと待っていたんだなとあらためて思ったのだった。
今回はお正月に一緒に連れて帰ったダンボも一緒だ。3月に帰った時はダンボが一緒でなかったことが不満のようだった。今回事前にダンボをライブの日は預かってもらえるかな?と聞いたら、ええよと何の文句もなくすんなり了解してくれたので、ダンボちゃんには親孝行のお手伝いをしてもらうのだ。
ダンボを見るとしげおっちは「この犬は正月に来たんと同じ犬かいな」
と、尋ねてきた。
もう忘れちゃったの?
犬にチラっと目をやったあとは早速ワシの最近の話を始めた。やっぱり自分のことが一番好きなしげおっちであった。