今日から9泊11日の北イタリア旅行に行くのだ。
飛行機が恐くて全く海外旅行に興味がなかった私だったが、去年フランス旅行に行ったら、フランス語が話せ なくても楽しい旅行が出来た。そうしたらイタリアもなんとかなるんではなかろうかと思って、また大雑把な計画だけをたてて一人旅を遂行することにしたのだった。
今回の“初めて”は乗り継ぎをして現地に行くということ。気を抜かずに無事に楽しい旅行にしたい。
去年の失敗は行きの飛行機の席が窮屈な真ん中席だったこと。事前に通路側の席を予約したつもりがチェックイン順に優先されていたようで、私が行った時にはもう端っこの席はなくなっていた。なので今回は早めにカウンターに行って、とにかく真ん中以外の席をゲットしたいと思い、結局二人掛けの窓側席をもらうことが出来た。よかったのだ。
両替を済ませて、旅用用品も買い足して、遅い朝ごはんを食べて・・・。
今日はなんだか余裕だわ。
じゃぁそろそろ、搭乗しに行こう。
空港内をてくてく歩いていたら、遠くから私の名前を呼ぶ人がいる。返事をして 手をあげたら近寄ってきた係の女性に「もう皆さん揃っていらっしゃるんですよ!まだなのはお客様だけですっ!」と少し強い口調で言われてしまった。
飛行機に乗るのは20分前ぐらいでいいと思っていたのだが、そ うではなかったらしい。「コペンハーゲン乗り継ぎではこんなでは置いて行かれてしまいますよ!」「す、すみません」
更に注意を受けて、恥ずかしかった。今日は段取りが良かったはずだったのだが…。
今回乗ったのはスカンジナビア航空。前回は全日空だったのでまだ機内は日本ムードが漂っていたが、今日は成田から既に外国に来た感じがする。スチュワーデスの女性がみんな大きい。
コペンハーゲンまでのフライトが約11時間。気圧の関係か頭が痛くてなんとなくスッキリしなかったが、真ん中席よりずっと身体は楽だ。雲の上はとてものどかな空が広がっている。機内があたたかいので、実際のこの空の気温がマイナス60度だとは思えない。
コペンハーゲン空港に着いたのが日本時間で22時40分頃。乗り継ぎまで1時間あるが早めに移動をしよう。ここはとても広い空港で、アウトレットパークかと思う程の店が入っている。
か、可愛いお店!
<いや、寄り道はだめ。>
あら、appleのお店まである。
<入っちゃだめ。>
乗り継ぎ便の飛行機は小さい飛行機で、離着陸の振動がすごかった。おととしまた手術を受けたのを機に飛行機恐怖症から解放されたと思っていたのだが、やっぱり飛行機は怖いと思ったのだ。
マルペンサ空港に着いたのが19時。電車でミラノに向かう。電車のチケットの買い方や乗り方などは、去年フランス旅行をした時となんとなくシステムが似ているおかげで応用でクリア出来ることが割とある。
親切な男性にスーツケースを運んでもらったりしながら、ミラノに到着。タクシーでホテルに着いたら時間は9時を回っていた。
ミラノの駅に着いてまず気づいたのは、街にたんぼぼの綿毛のような、綿ゴミなのか何なのかわからないものが空中を飛んでいることだ。蛾かなと思ったが虫じゃない。ボタン雪みたいなものが沢山空中を漂っていた。 これ、なんだろう。
ホテルに着いて、部屋の鍵の開け方に苦戦したがようやく部屋に着いた。
はぁああああ〜っ。
ホッとした〜。
ご苦労さん。
携帯の充電だけはしておこうかしらね。
と、スーツケースを開けようとした時のことだった。
マルペンサ空港内で開けてから、一度もスーツケースから目を離していなかったというのに、暗証番号000で開けようとしてもうんともすんとも言わずにロックが外れないのだ。
思いきり力を入れて押してもだめ、あり得ないと思いながら暗証番号を別の並び番号にしてももちろん開かない。
どうして。
なんで。
・・・・。
どうしよう。
また去年のフランス旅初日の悪夢が蘇る。あの時は電源の変圧器がハマらず頼みの綱の携帯の電源がなくなってしまうかもしれないことに思い切りブルーになったではないか。今回はスーツケースが開かずにやはり携帯の電源がなくなるパターンの可能性が出てきた。
泣きそうになるのを頑張って耐え、電池残量少ない中「スーツケース 開かない」でサイト検索をかけ、その中にあった「時間があれば、順番に数字を試して行って下さい。いつか開きます」に藁をもすがる思いで飛びついたのだった。
000、001、011 。
すると何と011で目出度くビンゴを引いた。
カチっと開いた時のあの音!すごい!ラッキー!
それにしても何故011なんだろう。やっぱり私には覚えがなく、運良く少ない回数で開いたからよかったものの、確率では何通りの組み合わせがあったんだろうかとゾッとしたのだ。
無事に着いて本当に良かった。
日本時間で明け方の5時になっていた。普段は寝ている時間だ。