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投稿日:2012年05月13日

2012年05月13日

今日は旅の最終地点、ヴェネツィアへ向かうのだ。
思えば、昨年の年末に勢いで加入したひかりTVの旅チャンネルでヴェネツィア編を見たことが今回の旅の始まりだった。
綺麗だなあ。
行ってみたいなあ。
それから毎晩寝る前にヴェネツィアについて書いてあるサイトを見ては、想いを寄せて行ったのだ。
一月半ばくらいになると、今度は好奇心から“航空券っていくらぐらいなのかしら?”と、航空券事情についても調べるようになる。すると早くも一月の末頃には五月のチケットが“残席わずか”の表示がちょくちょく出るようになってきたではないか。
こんなに早い時期から動きがあるの?
どうしよう…。残席わずかって…。
これって”サクラ”が居たりするのかしら。
こうして格安チケットは早くに売れてしまうのかもしれない。だんだん値段が上がっていくというわけか…。
夜中はやはり冷静な判断が出来ないようで、一月の末には結局航空券を予約してしまったのだった。
ところで。
航空券って、ホテルと違って予約をした日から二日以内ぐらいには支払わないといけないんです。
五月に本当に行けるのかしら。
でももう決めなくちゃ・・・。ええい!
早まったことをしてしまった。行けなかったら10万円を捨てることになる。
はぁ~あ…。
少しの時間ちょびっと後悔したものの、それからは毎晩イタリア旅行について考えを巡らせるようになった。自分の体力と資金を見積もっては、何度も検討する。特に移動のことや階段や石畳 で困ることが極力少なくなるように、Googleマップも随分参考にして、“もしかしたら本当に行くかもしれない旅行”についてあれこれ策を練るのは全部 楽しい作業だった。
そして今日は。
ヴェネツィア行きのチケットを買い、さぁいざ出発。
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ユーロスターは車両に乗り込む時の階段が難所だ。三段程ある階段をスーツケースは自分であげなきゃいけない。
気合いをいれてさぁ乗せるぞ!
と、構えたら屈強そうなイタリアーノが現れてスーツケースを列車にあげて、しかもスーツケース置き場にまで設置してくれたではないか。
凄いわ。なんて親切なの。イタリア人。
今回の旅で、素敵なイタリアーノと出会って来てねと応援してくれている友人が何人かいるのだ。ひねくれた私はそんなもんあるわけないと最初から期待していなかったが、もしかして急に出逢いってやって来るのかしら。
「サンキュ~、サンキュー!どうもありがとうございます」
まずは深々をお礼をしたのだったが・・・。
頭を上げると、イタリアーノは手を出してお金ちょうだいと言ってきた。
え!お金⁈
今スーツケースを持ってくれたのは「親切」ではなかったの?
急に腹が立ってきた。こんな屈強な身体つきをしてあんたもミラノ駅で会ったのと同じ旅行者狙いだったのか。
素敵なイタリアーノ一転、ママにお小遣いをねだるどうしようもないでかい息子に見えてきたので、1ユーロだけ渡したのだった。
ママ、5ユーロだよ。
1ユーロじゃだめだと言って更に手を出して来る。貴方なんなの一体?!お駄賃は100円で十分。お前が値段を決めてはいけません。
不貞腐れた顔で手を出してくるので、それしかあげません!と、言ったらだめ息子は意外にあっさりと去って行った。
なんてことなの。フランスの旅ではみんな紳士だったのに…。こんなみみっちいやり方で仕事するのはやめにして普通に働いたらどうですか。
しかし、私の“あげない!“に逆ギレされなかったのはよかったのだ。
列車は定刻に出発をした。到着は1時半過ぎ、約2時間の移動だ。メストレ駅を出ていよいよヴェネツィアに近くなると、海の上を走り景色は一変した。
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ヴェネツィア到着。
本島は交通手段が水上タクシーかヴァポレットという船のバスみたいなものと、あとは渡し舟の役割をするトラゲットというものが主で、私は一番良く利用するであろうヴァポレットの3日間フリーパスを買った。
こんな景色が本当にあるんだなぁ。
夢のようだなぁ、とつぶやいていた。
1番のヴァポレットに乗って30分くらいだろうか、giglioという駅で降りる。そこからすぐのところにあるのが私の泊まるホテルだ。
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ここのホテルは8つぐらいの候補から絞って選んだ所だ。長い距離石畳をスーツケースを転がしてキャスターが壊れてしまったというエピソードをネットで 知ったり、橋をいくつも上り下りしなければいけなかったり、エレベーターがホテルにないなんてことは、私にとってはありえないので、その辺りを細かく チェックしたのだ。
が…。
チェックインをしてわかった。ここは日本で言う二階からはエレベーターがあるのだが、二階までは階段を上がらないといけない。何度尋ねてもそうだという答えだったので、間違いないのだろう。
ショック。来た時は部屋まで運んでもらえたからよかったものの帰りは一体どうすればいいのだ。13段ある階段なのだ。
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部屋からは水路が見えて、内装はクラシカルかつモダンで素敵な一室。木製の雨戸がついていて、カーテンは天井高くからあるのでバーを使って開け閉めするタイプで、ちょっとヨーロッパのお嬢様っぽい品のある様式がとても気に入った。
ひと休みしたら散歩に出てみた。
ここは観光地だからか日曜日でも店はどこも普通に開いている。去年プロバンスのホテルはレストランも閉まっていた。外に店を探しに行ってもほとんどの店が閉まっていたので、覚悟して来たのだがそれはちょっと意外だった。なのでそのままサンマルコ広場まで行ってみた。
たまたまなのか、フィレンツェが暑かったのでヴェネツィアはもっと暑いかと思ったら訪ねた三都市の中で一番肌寒い。ちょっと室内で休める所はないかと探していたら、有名なカフェ”フロリアン”を見つけたので入ってみた。
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ここは1720年創業のヴェネツィアで現存する一番古い喫茶店で、カフェラテの発祥地として有名なのだそうだ。
お腹が空いていたので、クラブハウスサンドイッチとカモミールティーを頼む。サンドイッチ14ユーロ、カモミールティー8ユーロ。高い喫茶店だなぁと思っ ていたら伝票に謎の6ユーロが加わっていた。ミュージックチャージと書いてあるのかしら。何て書いてあるの、これ?これを加えれば3000円のサンドイッチセットに…。
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ええ、払いますよ。払いますとも。
異国の地で食い逃げは出来ない。しかし私には不釣合いなティタイムであった。
それからはブラブラと歩いて、スーパーマーケットと有名なリアルト橋のふもとまで行ってまた水上バスで帰ってきた。
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迷路のような街だと書いてあったが、本当に迷路のようだ。
iphoneが私の旅をかなり助けてくれている。まだネットが普及していない頃だったら、旅の初心者が一人旅を楽しむなんてことは出来なかったと思う。
靴を変えたら大腿骨の痛みがなくなった。
靴も大事な友なのだ。