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投稿日:2012年05月12日

2012年05月12日

時差ボケが続いているので、朝5時位に目が覚める。無理矢理寝て7時にまた起きたがもうお腹がペコペコなのだ。
ここは朝食ってどうなっているんだろう。キッチンはシンと静まりかえっていて館自体がまだ眠っている感じだ。
8時からだったかなあ。
それとももしかしてセルフサービスで朝食を勝手に作るのかしら。
鍵の開いたキッチンに何度か出入りして様子を伺う。勝手がわからないので結局部屋に戻ってテレビを見て過ごし、8時ギリギリになって誰かがやってきた気配がしたなと思ったら、ようやく朝食タイムになったみたいだった。一番乗りでキッチンに向かうと背の高い長身の50代と思われる陽気な男性が朝食の用意をしてくれた。
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家庭的な雰囲気で、まるでホームステイをしているような感覚だ。
オレンジジュースにパン、ヨーグルトとコーヒーという簡単な朝食で、他のスナックなどは取り放題、だがカロリーのことも考えて取るのはやめにした。
今日の予定は朝市と800年の歴史を持つサンタマリアノヴェッラ薬局に行くのと、ミケランジェロ広場からフィレンツェの街を眺めに行くことだ。
まずは朝市に向かう。
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<景色を撮ろうとしたら、俺たちを撮ってよ!と声を掛けられました>
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<下からの牙が怖いですが、とても大人しいわんちゃんでした>

ここは革製品やお土産物などを売っている露店の道で、観光客向けの朝市のようだ。商品のイメージとしては京都の修学旅行生向けのお土産物屋さんが置いている品物のフィレンツェ版といったところか。
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写真を撮っていたら、お母さんが埼玉の人だという露天商のイタリアーノに声を掛けられた。
「アーユー、ジャパニーズ?」
「あ、そうですそうです。イエース」
「ボクのお母さん、ジャパニーズ。サイタマノヒト!」
彼の、「下半身と頭はイタリアの血を引いているんだ」という話に思わず大笑いしてしまったら、つかみはOKとばかりに今度は革ジャンを売りつけてきたのだった。
今日は真夏のような暑さなんです。
革ジャンは本当にいらないの。
ビンボープライス!と叫んでは”買ってくれないと悲しい”と泣き真似をしたりするので困ったのだ。ごめんねと言って立ち去っても、まだ呼び止める。会話の中で名前を聞かれたので、名前を教えてしまいおかげで遠くに去ってもまだ「ミーキー、ヨスィカワー!オゥ、ビンボープライス!」という声が聞こえてくるのでとっても恥ずかしかった。
もうJapanese?と尋ねられても通じないフリをしよう。どうも私はスキがあるみたい、気をつけないといけないのだ。
そこからサンタマリアノヴェッラ薬局に向かう。今日はとっても暑いのだ。
フィレンツェは建物がとても美しい。可愛い雑貨のルーツはこういう建築物にあるのではないかと思う程、”素敵”ポイントが通づる。ミニチュアでこんな建物を作るキットがあれば購入したいなぁ。
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サンタマリアノヴェッラ教会の美しさに感動したあとは、同じくすぐそばにあるサンタマリアノヴェッラ薬局に行く。
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ここは修道僧が薬草を栽培調合して始めた、今ある中で世界で一番古くからある薬局で800年の歴史を持つ薬局だ。
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薬局というより、もうブランドショップと見間違うような敷居の高い空間。各国の言葉で書かれた商品案内がこれまた良質な紙にプリントしてあって、ここにも日本人スタッフがいて日本からの観光客の対応に追われていた。
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その後は市バスに乗って、ミケランジェロ広場に行ってみる。ここは丘の上にあってフィレンツェの街が一望出来るところなのだそうで、観光客が沢山やって来ていた。
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少し高い場所にある素敵なレストランで軽食を頼む。ピアノの生演奏が入っている店で、初老の男性がスタンダードを演奏していた。日本でこういう店に入った 時は、演奏が雑だなと感じることが多くて楽しめないのだが、この男性は音楽がきっと好きなのだと思う。パーティをしている子供達が鬼ごっこをしてはしゃい でいる中、とても熱のこもった、そしてテクニックも備えた演奏をしていて、思ったより長居をしたほどだった。
ニューシネマパラダイスの曲は、私もあの2曲を繋げて弾きたくなる。音楽は素晴らしい。日本人もこの曲が好きな人は沢山いるんですよと伝えてみたかった。知っている曲ばかり。スタンダード曲の偉大さをかみしめたティタイムとなった。
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ホテルに戻ったら近くのデパートの屋上のカフェで夕暮れ時を過ごす。時刻は夜の8時を過ぎているのに、まだ空を鳥が飛んでいる。ドゥオーモもジョットの鐘楼も階段でしか上に上がれないので、別の角度からの眺めとなったけれど、フィレンツェは想像していたよりうんと素敵な街だった。
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何度も写真に収めてみたけれど、写真ではあの感動を再現出来なかった。
今回の旅に“とりあえず”加えたという、あまり期待していなかったフィレンツェだったが、訪ねて本当によかった。景色を眺めるのが大好きな人には是非行ってみてと勧めたい思い出の街となった。