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投稿日:2009年02月26日

2009年02月26日

外来が終わってから、下北沢に東京ヴォードヴィルショーの公演「見下ろしてごらん、夜の町を」を観に行った。今回は劇団始まって以来初の音楽劇ということで、客演の方々の生演奏があるんだなぁと思っていたら、役者さん達も実際に楽器を演奏をされるという構成だったのだ。お芝居を観ながら「これは高度な技だわ」「この役者さんは昔音楽をやっていたのかしら」とか「この人は、きっと一生懸命練習したに違いない」と、途中何度も音楽をやっている自分に戻ってしまうほど、音楽がふんだんにお芝居の中に盛り込まれた作品だった。
去年、ヴォードヴィルショーの役者さんである山本ふじこさんが「私、ヴォードヴィルの芝居と劇団の人達が本当に大好きなんですよ」と満面の笑みで嬉しそうに話してくれたのだが、あの笑顔が私には忘れられない。その話を聞いているだけで、なんだか自分も幸せな気持ちになっていたのだ。
ヴォードヴィルショーのお芝居はまだ数本しか観たことがないが、共通して言える好きな所は「笑いの温度」だ。決してむやみに誰かを傷つけたりすることなく、かと言って笑いとして淡くなるのではない。言葉が選びに選ばれていて、そうして面白いところにオチを持って行ってくれる。一見毒がないように見える部分かもしれないのだが、逆に私は作り手の鋭さを垣間見た気がし、すごいと感じるのだった。
今ヴォードヴィルショーは、旅公演中でこの数日間が東京公演。何カ月も家を空けた状態は家が好きな私には耐えられないだろうが、ふじこさんは旅公演は楽しいですよと言っていたっけ。
「見上げてごらん、夜の星を」は、坂本九さんの名曲。私も大好きなあたたかい歌だ。
そして今日観た63回公演となる東京ヴォードヴィルショーのお芝居、「見下ろしてごらん、夜の町を」。
あぁ、そうだなぁ。
ヴォードヴィルショーのお芝居は、坂本九さんの歌の世界と温度が似ている。そんな風に思ったのであった。