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投稿日:2007年08月06日

2007年08月06日

先週からダンボの調子がちょっと変だった。左足を上げてケンケンで歩いたり、いつものように走り回るということがなくなった。
陣地にしているベッドの前で、自分では上がらずに「上げて」とねだったり、ちょっとした段のところでも「上げてよ」と座って待っている。時々甘えてそうすることがあったので、また甘えているんだろうと思っていたが、どうもそれが理由ではないらしい。ここ数日ははしゃがなくなりおとなしくなっていて、もしかしたらと思うところがあったので、今日は病院に連れて行くことにしたのだった。
先生が口にした言葉は膝蓋骨脱臼。それは”もしかしたら”と心配をしていたことだ。
チワワなどの小型犬に多く見られる病気で先天性のものと後天性のものがあり、6月に診てもらった時には問題はなかったので恐らく後天性でしょうという話だった。膝蓋骨脱臼は症状がひどくなると手術しか方法がないらしい。1週間家から離れて病院で安静にするのは、ダンボの性格からすればかなりのストレスになると先生は言う。
いつも部屋の中で飛び跳ねたりしているのを、私は結構自由にさせていた。ある程度のことは、動物の感覚で大丈夫かそうでないかを身につけて欲しいという思いもあって、日常の暮らしの中では”これはあまり私が先回りしてフォローをしないでおこう””これは自分がちゃんとしないといけないな”ということの線引きはしていたのだ。
「もう治らないんでしょうか」
悪化は防げてももう治ることはないらしく、体重を落とすように、それから高い所には上がらないようもしくは階段を作ってあげて下さいと言われ、しょんぼりしながら家に帰ってきたのだった。
私は普段、高齢になったゴン太のことばかりを心配していた。気持ちよく眠っているか、起きたら変わりなく動いているか、ご飯はちゃんと食べているか・・・。ゴンちゃんの様子を見ている私を開いた隙間から羨ましそうにダンボは見ていて、その度に怖い顔で「ゴン太にいじわるしないでね」と言っていた。
いつの間にか、ダンボは元気であるのが当たり前だと思うようになっていたのだ。
病院から帰ってきても、おとなしく床に座ってはしゃがなくなったダンボ。まだ4歳半で老犬にもなっていないのにと思ったら、申し訳ないことをしたという気持ちになってきたのだった。
ごめんね、ダンボ。
ダンボはやっぱりチワワだった。
ダンボは小さいワンコちゃんだったのだ。
目が合えば尻尾を振ってこっちを見ているダンボ。だがベッドに上ってきて私の背中に飛びつくことや、おもちゃを持って来て遊びを誘うこともなく、居たことのない床の一角を選んでそこにジっと座っている。
<痛いの?>
<痛くはないの?>
それさえ、私にはわからない。
今日、ダンボがとても小さく見えた。
いつか一緒に思い切り走ろうねと言っていた。
もう叶わない夢になっちゃったのかな。
ごめんね。
寂しくなるぐらい、家の中が静かなままだった。