夜、縫い物を頼んでいたので叔母の家を訪ねた。
3人の従兄弟達は、今はそれぞれ別の家に住んでいるので叔母は今はマンションで叔父との二人暮らしをしている。
家に行くと叔父はテレビの真ん前に座り「あっはっはー」と、笑っていた。私が子供の頃の叔父は、いつもお洒落な帽子を被り話し方もスマートで、ダンディな紳士だったが、今ではマイペースなじいちゃんとなりすっかりキャラが変わったのだ。
「あぁ、みきちゃん」
叔父は母の実兄にあたる。振り返った時の顔を見ると、祖父と叔父と母は同じだなぁとあらためて思う。
今日は久しぶりに会うので、3人で夕食を一緒に食べることになった。
今月、そう言えば私は結婚数日のご夫婦とそれから結婚約20年のご夫婦、そして今日の叔父と叔母という3組の夫婦と一緒に食事をしている。結婚数日の二人の時は、奥さんが席を外している時に「僕は結婚願望はなかったんですけれど、彼女だったから結婚したんですよ。僕が言うのも何なんですけれど、とてもいい娘なんで仲良くしてやって下さい」と旦那さんは言っていたっけ。
そして、今日のとんかつ屋にて。
何かの話で結婚の話題になったのだが、「私も結婚した方がいいのかなぁ」と口にしたら・・・・。
「結婚は、なるべくしない方がいい!」
店内に響くほどの大きな声で、叔父と叔母はほぼ同時に言ったのであった。叔父と叔母の「結婚はなるべくしない方がいい!」の息はピッタリ合っていた。さすが長年連れ添った夫婦・・・。
この一ヶ月で、私は朝顔の成長は観察しませんでしたが、夫婦の成長を見る機会がありました。
「今度の法事は、おじいちゃまが27回忌でおばあちゃまが7回忌になるのよ」
「ふーーん」
「あぁ〜。20年もおばあちゃまは独身だったってことよ。自由を謳歌したのよねぇ」
は、はは・・・。
叔母の話は聞こえていたであろう。
夫婦って不思議な人間関係だ。
目の前で叔父は美味しそうにトンカツを食べていたのであった。