収録で渋谷に出掛けた。
渋谷駅の構内は昼夜問わず人が多いのだが、歩く人のお洒落度数はと言えば、やはり高いような気がする。
洋服自体のデザインが洒落ている人も居るが、それ以上にコーディネイトを工夫している人、ちょっとしたお洒落アイテムをつけ足したりと、出掛ける前にもう一手間掛ける時間を作っていると思われる人が更に多い気がするので、時計はしてもアクセサリーにまで気が行かないタイプの私は、渋谷に出た時に少し反省をするのだった。
持っているもので、上手い組み合わせを作れたり、ちょこっとアクセサリーを加えたりすることで、お洒落の幅は広げられる。要はアイデアなのだ。
せっかく家にやって来た洋服達だって、気持ち的に”じゃ、いっちょこのヒトを引き立てて綺麗にしてやろうぜ”と、盛り上がるかもしれないのに・・・・。
「何、着ようかな」
クローゼットを開けた時、
”あ、あの人と一回組ませて下さい”
”新しい企画があるんです!”
”今日こそはボクを使って下さい”
”それでは少々保守的に思うんですが”
バタン。
今日もまた私は沢山の洋服達の叫びに気付かなかった。
不満爆発。
私が渋谷駅構内を歩いて、こんな風に反省をしている今頃はクローゼットの中で、洋服達が文句を言い合っているのである。