明日からレコーディングが続くので、スタジオに持って行くOKデータの最終チェックと打ち込みの残りの作業をして一日が過ぎた。
ヘッドフォンがボロボロになっているので、新しいのを買わなきゃなぁといつも思う。だがヘッドフォンを外したらもうそれでそのことを忘れてしまっているので、「新しいのを買わなくちゃ」ともう3年ぐらい思っているんじゃなかろうか。その間にもどんどんヘッドフォンはボロボロになって、今では両側共「sony」と書いたフタが取れ、右側の耳の所の接触も悪くなってしまっているのだった。
いよいよ、さすがにもう買わなくちゃいけないだろう。
この機種はヘッドフォンのスタジオ仕様の定番で、最初の頃は音の違いが全くわからなかったが、今ではこのヘッドフォンの音質が自分のもろもろのジャッジのものさしとなっているので、私の音楽作業の重要な鍵を握っている。
イタチにさんざん噛まれた跡も残っている悲惨なヘッドフォンになってしまった。
お疲れさん。
来月になったら、新しいヘッドフォンに交代出来るようにするから、あとちょっとだけ頑張ってね。
家での作業の時、いつも「独り」だと思っていた。
あぁ、だけどそうじゃなかった。
一番にキミがその音を伝えてくれていた。
一緒に聴いていてくれた。
とてもよくやってくれた。
音を伝える無言の相棒。
このヘッドフォンがいつもそばで支えてくれていたのだった。