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投稿日:2008年11月03日

2008年11月03日

駅前のスーパーの中にあるパン屋さんは、店をリニュアルして以来、パンの袋詰めがセルフサービスとなった。これが買い物の負荷になって仕方がないのだ。その上、パンは重たいアクリル板の扉を手前に引き上げてその奥からトングで取り出さねばならない。
誰がなんでこんなに不便にしたの。
おかげでここの店でパンを買うのは、今や一仕事になっているのだ。
「袋詰めはセルフサービスでお願いしています」
レジを打った後で店のお姉さんは言う。だが、例えそれがメロンパン一個であってもわざわざトレーごと押し返して来るのだ。
「今ちょちょいと袋に入れた方が早いやん!」と、言いたいのだが毎度間髪入れずに「セルフサービスのプレゼントです」とちっこい源氏パイを乗せられるので、流れでついそのまま能面でトレーを受け取り、袋詰めをしているのであった。
しかし、「袋詰めをお願いしています」と言ってそのあとで店員さんたちが談笑をしている中、やじろべえみたいに荷物やトレーを持って袋詰めコーナーに移動をする時、やっぱりムカッとくる。源氏パイはいらないから、手が空いているんなら袋詰めをしてよと言いたくなるのだ。
だが一度、私と同じ気持ちの人だったんだろう。お客さんで怒りを店員さんにぶつけた女性が居て、レジで文句を言っているところを見たことがあった。
「もうっ!@%&7#@%!」
だがこのご婦人、怒りを上手く文章にまとめられなかった。
肝心のクレームが、ちゃんと口から出ずカタコトの日本語のようになって、勢いと怒りの部分だけが前面に出てしまっていたので、逆に店員さんの方がタッグを組み、”なに切れてんのかしら。変なヒト”と顔を見合わせて笑ってそれでおしまいとなったのであった。
惜しい。
敗退。
トレーを持ってご婦人退場。
後ろに並んでいた私がその後、トレーにポロっと置かれた源氏パイを店員さんに投げつけて援護に出れば、もしかしたらセルフサービス制度は廃止に出来たかもしれなかったのに・・・・、私も最大のチャンスを失ってしまったのだ。
レジで私は呪文のようにいつもつぶやいている。
<源氏パイはいらない>
家に帰って、おまけでもらった源氏パイを食べる時、言いようのない敗北感に覆われるのであった。