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投稿日:2009年11月06日

2009年11月06日

近所で新しい家を建てている所が数カ所ある。中でも大規模なのが川沿いの広い敷地で工事をやっているマンションだ。ここは前は古い建物の会社があったところだが、どれぐらいか前に取り壊し作業が行われてそれからしばらくしたらマンションの完成後の写真が道路側に見えるようになっていた。会社が建っていた頃は、そんなに広い敷地には感じなかったが、更地になると随分広い面積があった。
少し離れた所に2年程前に建った低層の豪華なマンションは、相変わらずチラシが入って来る。何軒かはまだ空きのままのようで、素敵な建物だからすぐに埋まるかなと思っていたが、なかなか買い手が見つからない様子。不況だからマンションも売れないんだなぁと思っていたら、こちらのまだ建っても居ないマンションは億ションの部屋もあるというのに完売間近みたいで、買える人は億ションだって買えるのだ。
すごく気になっていることがある。それはこの建設中のマンションの横に流れている善福寺川のほとりに、日中いつ前を通っても同じ初老の男性がここのマンションのモデルルームの案内の看板の横に立っていることなのだ。
スーツを着て、いつも「立って」居る。
お仕事だから”立って”というのが会社としては基本なのかもしれないが、いつ前を通ってもおじぞうさんのようにじっとそこにいる姿を見ると、別にパイプ椅子を持ってきて看板の横に座っていてもいいんじゃないかなぁと男性のことが気になるのだ。
ここはジョギングをしたり散歩をしたりと、人が行き来する場所。対比で余計に目立つのだ。
完売したら男性はもうここに立たなくていいのかなぁ。
川沿いの木々も赤や黄色に葉っぱを変えて行く。
ここに住んで3年半、そんな間でも少しずつ景色が変わって行くのを目にしてきた。自然だけが”変わって”も同じように繰り返し、人間の作るものは”変わった”ら後戻りをしない。
来年の春になればまた桜が咲き誇り、夏になれば真緑のトンネルを作り、一年後にはまた赤や黄色の葉っぱに色を変えるこの景色を、あらためて美しいなと感じたのであった。