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投稿日:2009年11月28日

2009年11月28日

江古田マーキーにてライブ。
いつもなら12月にもライブの予定が入っていたと思う。でも今年はこのライブが今年の私のライブの早くも締めのライブだ。
今年は体調が思わしくない状態でライブに臨む日が何日かあった。逆に考えればそれだけ調子がいい日が出て来たということにもなるが、調子がいい日を得たら次からはやはりそこが自分の基準になって行くので、「ベスト」が一番いいが、そうでなかったら「ベストを尽くす」、そのどちらかの私でライブに臨もうという気持ちで過ごしてきたように思う。
目には見えなくても確かに存在する想いというものが、多分ライブハウスという場所には行き来するわけで、窓のない暗い閉ざされた箱でしかない空間が温度を得るのは、そこしかないのだと思う。
どんな時でも、どんな状況でも、心の温度が少し暖まる瞬間があって、それがあればしばらくの間また心強くやっていける。例えば喫茶店に入ってちょこっと休憩をすることもそう、映画を観にいくのもそう、友達になんてことのないメールを送ったり大好きな人の声が聞きたくなるのもそう。ライブハウスに足を運んでくれるお客さんに対して、そのことをいつも思えるようになりたいと思う。
一緒に出演をした佐藤ひろこちゃんが、「まだはじめてまもないピアノで、決して上手くはないけれど、伝えたい気持ちを大事に、最後にピアノの弾き語りで一曲歌わせて下さい」そんな内容のことを言って最後の一曲をピアノでの弾き語りをした。
聞いていて、ピアノの上手い下手というところに耳がちっとも行っていない私が居た。そして自分の心の温度もなんだかあったまっていた。
たまに、自分の進む道は、歩いている道はこの道でよかったんだろうかと自信をなくす時がある。もっと身の丈に合った何かが他にあるんじゃないだろうかとよそ見をする時がある。でも、多分なのだが、大抵は自分の選んだ今歩いている道で正解なのだと思う。そしてその中で心があったまる瞬間を何かからもらって、そしてまた小さく仕切り直してその道の続きに行くのだ。
自分の道のりが遠く感じるのはまだこの先もあるというしるし。
帰り道、晩秋の夜の空気だ。
冷たく、でも澄んで透き通って、それが何故だか暖かく見えたのだった。