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投稿日:2009年11月27日

2009年11月27日

友人から、マイケルジャクソンの映画がすごくよかったとメールをもらったのが昨日、急遽今日はそのマイケルジャクソンの映画を観に行くことにしたのだ。友人のメールがなかったら、気にはなっていても観逃してしまったんじゃないかなと思う。「めちゃくちゃよかった!」と感動した友人のメールで私も心が動いて「やっぱり行かねば!」と朝起きたら映画に行くモードに入っていたのだった。
幻となった2009年のロンドン公演のリハーサル風景を中心に構成された「this is it」。公開が今日までということもあって、都心部の映画館は私の行きたい午後の時間帯は既に売り切れになっていた。少し都心からはずれたとしまえん近くのユナイテッドシアターの2時半の回があったのでネット予約をしたが、映画館に着いた時には「全ての回のチケットは売り切れました」という張り紙がしてあった。
マイケルジャクソンは後年、いろいろスキャンダラスな方面から書かれた疑惑の人だったが、私はそれよりも「スリラー」が流行った頃の個人的な思い出の方が強く印象に残っている。MTVでの映像に釘付けになったことや、当時同じくしてヒットチャートをにぎわせていた楽曲達、カフェバーでスピーカーから流れてきたbose独特のあの音像、バリ島に旅行に行った時に道端でカセットでアルバムのコピーが売られていてお土産にわんさか買って帰ったこと、女子大生だった頃の私のキュンとする景色がよみがえる。
50歳とは思えないハードな身のこなしでリハーサルに真摯に向き合うマイケルジャクソン。全力で目の前の自分のやるべきことに身を投じている姿は、エンターテイナーとして心身共に本当に手の届かない高い所にいる人なんだと感じさせられる。遠い存在の人であることを確認しつつも、人として尊敬する気持ちが芽生え、映画を観すすめるうちに何故かしら見ている自分の心がどんどん洗われていった。
よく「これが出来たら死んでもいい」と口にする人が居る。マイケルはそうは思っていなかったと思う。ただただ目の前にある自分のやるべきことについて、いつも100%で臨んでいたのだろう。神聖な人のオーラがあった。
コンサートは幻となってしまった。
だがとても価値のある映画だったと思う。
それぞれの人の心にある邪心のない空間に、語りかける映画だったような気がする。もしかしたらそれはロンドン公演の成功よりも人々の心を正直にさせる力があったかもしれない。
人生は切ない。誰かの評伝を読んでもいつも同じ切なさが胸に沸いて来る。でもたくさんの出会いがある。そしてその人にしかないたった一つの人生を生きている。
スーパースターでなくとも、同じ志は目指せる。生きている間、私達は繰り返し澱みながらもまた心の再生をして、自分の道を歩いていかなきゃいけないなと思った。
勧めてくれた友人に感謝。私も深く感動をし感銘を受けた映画だった。