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投稿日:2007年07月03日

2007年07月03日

子供の頃、私はたいそうお転婆なチビスケであったが、それでも女の子同士のおままごとにも興味があるレディの一面もあった。
リカちゃん人形を持って、数人の女の子達が誰かのお家に集まる。私がリカちゃん以外に持っていたアイテムはタンスで、それも一緒に持って行く。お友達もそれぞれオプションものを持って来るのだが、それらが並ぶと豪華な貴族の会になったものだ。
リカちゃんハウスへようこそ。おままごとの暗黙のマナーは、普段大人達にはあまり見せない大事な宝物達を出し惜しみせずに提供をしあい、そこではお互い人の宝物にはそれなりの気づかいをし、むやみに触ったりもしないことだった。先生が居ない中、子供達だけでその輪の調和を取り合った大人な遊びでもあった。
大人社会の中では「ままごとみたいな」という言い方をする時、それはあまりいい捉え方ではない。だが実際には、可愛いアイテムを単に使っているというだけで、”ままごと”は、精神的には「空気を捉える」といった実に高度な技が必要な遊びだったのだ。
今日はtrico!のリエちゃんと三沢泉ちゃんのコラボライブを観に行った。二人共サポートミュージシャンとしてのプレイヤー活動もすれば自分のソロ活動もしているが、ソロ作品はいずれも上質で私の好きなアーティストだ。個人的に二人が共演するのを観てみたかった。
演奏が始まると、二人が次々に見たことのないアイテムを出して来る。見逃せばそれでもう次は出て来ないものもあり、そしてそれらは全て音楽を奏でるものとして存在していた。泉ちゃんは前に見た時と全く別のセットを持ってきていて、木琴なのだがパーツのとりはずしが出来るというもので、黒鍵がないのに全てのキーが鳴らせるという仕組みが解明出来ない楽器を今日は前に置いていた。
リカちゃんタンスを持って、私は裕子ちゃんの家に走って行った。
「今日だけだよ」
「秘密ね」
「見せてあげる」
「ほら」
家に帰って「ママ、私はタンスしかないから@@も欲しい」とねだったっけ。
宝物で音楽を作る。
「今日だけね」
「見せてあげるね」
「これとか」
「こんなのもあるよ」
音を使った遊びにはいろいろなやり方があるが、こんなアプローチが好き。こういうセッションを私は豊かだと感じる。
いいな・・・。
タンスとリカちゃんを持って羨ましそうに見つめている私が隣りに座っていた。