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投稿日:2007年07月05日

2007年07月05日

近くを通るコミュニティバスは、運転手さんの数が少ないようで、「あ、またこの運転手さんだわ」とバスに乗り込む時に、心の中でつぶやいていたりする。
そのうちの一人に、板東英二似の運転手さんが居るのだが、この人は運転中にピンチを感じたり、ストレスを感じると大きな声で困った気持ちを口にしてしまうので、車内に若干緊張が走る時があるのだ。
私はこの板東さんのバスにたまに乗って、そのたまにのうちの何度かで一緒に困った体験をしたことがあるので、日頃からこういう仕事ぶりなんだろう。
「あ〜っ、なんでまた・・・」
「どうしようもないんだよ」
「そんな・・・それをされても・・・」
「あ〜〜っ、もう!」
ニュアンスが怒りに満ちながらも、語尾に全部「とほほ」をつけて良さそうな表現をする板東さん。顔が似ていると声まで似ているのであった。
「あ〜〜っ、そんなところに停まられても・・・」
<また、始まったぞ>
今日は板東さんのバスだった。
何もなければいいのになと思いつつ乗り込んだら、今日は二つ先の停留所を過ぎた辺りで、いつもの「アレ」が出たのだった。
このコミュニティバスが走る道は少し狭く、確かに対向車がもうちょっと端に寄ってくれればなと思うことはある。が、それはそう思うぐらいでだいたい済む程度のストレス具合いなのだが、板東さんはこんな時「困った」アピールをした後、自分からはちっとも折り合いをつけようとせずに拗ねたようにバスを停めてしまうのだった。
「あ〜っ、だめだめ。そんなことしたら」
普通は割とこんな状況の時には、乗客は自分が乗っている車側に気持ちを置いて運転手さんを応援したくなるものだろうが、最近は板東さんが拗ね始めたら私は対向車の運転手さんの方に心が行くのだ。
”すいません、この人頑固なんで、なんとかうまくやってくれませんか”
向こうの車の運転手さんに念を送っているのだった。
板東さんは、同じコミュニティバスが相手でも平気で我を通す。同じバス会社仲間なんだから手でも上げて挨拶でもするのかと思えば、「これじゃ、無理だよ」とブツブツ言いながら他の車にするのと同じことをするのだ。
何故、私は怒れないんだろう。
板東さんは、父しげおっちに少し似ている。
私はこの運転手さんのバスに乗る時、”今日は平和に時が過ぎますように”と願い、「ブツクサ」が始まると、まず相手の運転手さんに”すみません・・・”と心ん中で謝るようになっているのであった。