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投稿日:2007年07月14日

2007年07月14日

病院に居た頃、長い入院でせめて外の景色が見えるよう配慮してもらったのだと思うが、私は窓側のベッドをもらうことが多かった。
大部屋では窓側の空間が少し広めだったのだが、それは空調が設置してあったからだった。夏は冷房、冬は暖房がここで調節出来、一年を通して病室の中はパジャマ一枚で過ごすことが出来たのだ。
が、同じ温度でも感じ方は違っていて、病室では「寒い」「暑い」の密かな攻防戦があった。
お年寄りはほぼ全員が寒がりで、夏でも長袖の上着を羽織り、クーラーがつくと「寒い」と言っていた。そして少し元気なご婦人がルームメイトだと「暑い」と言ってクーラーの温度を低めにしに来ていたので、私のところには、それぞれ「鬼の居ぬ間に」自分の心地いい温度設定にしようと、直接対決はしないがクーラーをめぐる対決はよくあることだったのだ。
私は一人で動けなかったので、「クーラーをつけてちょうだい」「クーラーを切ってちょうだい」と言われることはなく、その点では巻き込まれずに済んでよかった。
私は「暑い!」派だった。なので心ん中ではご婦人を応援し、隣りのばーちゃんがナースコールを押して「さむいわー」と訴えると、”残念・・・・”とうなだれたものだった。
そんな「暑い」派だった私だが、ここ数年は夏でも外出する時には長袖を持って行くことが多くなった。レストラン、ライブハウス、ファッションビル、タクシーの車内、何かの施設・・・・。出先で入った店やビル内で、空調を「寒い」と感じることが割とあるのだ。
上着を忘れた時には、寒いのを我慢してそこに居ることもあるし、途中でよっぽど一枚何か羽織る物を買おうかと迷う日もある。暑さ、寒さに対する感じ方は、特に自分に何か変化があるようにも思わないのだが・・・。
家を出れば、温度設定を自分で決められない場所というのがたくさんある。
世の中は、さぶくなった。
自分もいつの間にかそう、半袖の季節に、長袖持参の人はかつてより増えたように思うのである。