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投稿日:2010年06月20日

2010年06月20日

父の日。
父の日のプレゼントを何か送ろうと思っていたが、少し前に送ったものを「うちにあってもしょうがないしヘルパーさんにあげた」と言われたことで、結局”贈り物”はやめることにして電話をかけることにした。
「もしもし」
「あ〜、なんや」
「父の日、おめでとうございます」
「それで電話してきたんかいな」
「はい、そうです」
「それだけやな」
「はい」
「ほな、切るで」
私の一番古い記憶にある父の日のプレゼントは、父の似顔絵だ。四角い輪郭の顔にヒゲの点々を描き、ちょっと奥目の感じに苦労をしたが、頭の禿げ具合は母が笑うほどよく描けていたようで、父はこんな変な顔じゃないと言いながら受け取ってくれたようなそんな情景がぼんやり残っているのだ。
その似顔絵は印鑑や書類などが入っている食器棚の引き出しに入れられ、長くそこに入っていたっけ。
初めて買ったプレゼントは、ネクタイピンだった。
私としては奮発して、センスのいい品物を選んだつもりでいたが、父は喜んで受け取ってくれたにもかかわらず、またもや印鑑などが入っている食器棚の引き出しに入れられたまま、ずっと引き出しの中に転がっていたのだ。
「今、ワシテレビ見とんねん」
別に物もいらない、電話もいらない、興味があるのは「ワシ」のことだけ。
私は普通のサラリーマン家庭で育ったと思っていた。個性的な家だとは一度も思ったことはなかった。
しかし両親と離れて暮らし、その年月を重ねるほど、自分は変わった両親のもとで育ったんだなぁと思うようになった。