お昼休みにとある神社の境内で休憩をした。
神社仏閣には京都の大学に通っていた時には全く興味がなかったのだが、今は喫茶店でお茶を飲むよりこういう場所がほっこりするなぁと感じることがあって、それで今日も境内で腰をかけてしばらくぼ〜っとすることにしたのだった。
今日の天気は薄曇り。
すぐ近くには大きな幹線道路が通っているので、車の行き交う音が結構聞こえてきて都会の中にある神社なのだなぁということがわかる。
子供が数人とご婦人のグループがお参りにやってきていた。
少し顎を上げて視野を上にそらしてみる。
ここは古い神社なので、江戸名所図会では周りは何もないような場所に神社が描かれているので、江戸の頃は全く今とは違ったのどかな場所だったのだと思う。当時に少し想いを馳せて視界を上にずらすと、なんとなく時代がワープ出来るような気分が味わえるので、古い建物のある場所に来たら時々こうして時代が現在に特定出来ない角度で眺めることがある。楽しい逃避行だ。
プォップォー。
背後で車のクラクションが鳴って、また今に戻ると都会の中にあるここだけがちょっと古めかしい景色に戻っていた。
東京はいつからこんなに蒸し暑くなったんだろう。
生温い空気が空を覆うようにゆっくりと動いて行った。