この暑い日差しに変わってからも相変わらず午前中のダンボは東の窓のところで日光浴をしている。この窓は出窓ではないのだが10センチ程度の木枠があって、幅は決して広くはないのにここに無理矢理座って過ごしているのだった。
別に外を見ているのではなく、ひたすら太陽の日差しをあびてそこに座っている。
「まぶしくないの?」
くつろげる場所は他にたくさんあるのに、敢えてそこに居る。バツで狭い場所に置かれたような形なのだが、本人が気に入ってそこに居るからしょうがない。
しばらくしたら東の窓枠からダンボは移動をする。
「ほら、やっぱりそこじゃぁくつろげないでしょう」
そう笑ってみるのだが、そうではない。よく見ると木枠の辺りに差していた日がいつの間にか弱くなり、今度は南の大窓のところがまぶしい日差しを受けていて、そこでダンボは毛づくろいをしてやっぱりくつろいでいるのだった。
洗濯物でさえ数時間で色あせをさせるこの日差しの中で、よくくつろげるものなのだ。
そして夕方になると西日が差し込む西の窓の下に行ってこれまた、マーライオンのようにじっとしている。
ダンボは一日をかけて部屋の中を移動し、戻って来たらちょうど日が沈むいい頃になっていて、そうして「じゃぁ散歩にでも行こうか」ということになるのだった。
お腹と顔はすっかりシミだらけ。
牛柄になったダンボ。
我が家の日時計はこうして一日の時間を教えてくれるのである。