外来日。
2週間前に近所のクリニックから「異常あり」と言って渡されたレントゲン写真を持って行った。
まず2年前のレントゲンと比べてもらう。すると2年前のレントゲン写真にも似た輪郭のものが写っていた。悪性の腫瘍だったら、この輪郭の部分がケバ立って現れるので多分問題ないだろうと思うということで、念のためにと8月に入ってからCT検査を受けることになったが、だいぶ私の緊張していた心はほぐれたのだ。
この2週間はやっぱり暗かった。考えても仕方のないことは考えないでおこうと何度も自分に言い聞かせて過ごしていた。だが、それを何度も自分に言い聞かせるとうことはやはりそれだけとらわれていた証拠なのだ。
ここしばらくで、やっぱり体のことが私にとっては一番大きな悩みになるんだなとあらためて思った。
元気だったらなんだってやれる。普段人にもそう口にしてきたのに、私自身体に無意識になれていた時にはいつの間にかその有り難さを忘れて、仕事を含めた日常の中の小さなことでクヨクヨした時間がなかったか。いいや、そんなことはなかった。馬鹿だったなぁ。何てもったいないことをしたんだろうと悔やんだ。
仕事も生きて行くには大事。だけど、もっと人として大きな枠で日常を捉えて、おおらかにそれらを1パーツとして、少なくとも日々の中でダメージを受けたりしたとしてもそれらを小さなこととして置いていけることをもっと意識したいなと思った。
穏やかな日々を、楽しいと感じる心を、それから今年の夏の思い出もこれからまだ間に合うから作って行こう。
「自分を好きになりたい」という言葉はよく聞くけれど。
身体も大事な宝物なんですね。
いつか魂が別れを告げるまでのこれは借り物。
たまには思いやりも必要だし、大事につき合わないと。
まだつき合って欲しいから。
自分の身体を今日はとても愛しく思えたのだった。