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投稿日:2007年01月25日

2007年01月25日

今日は外来でお世話になっている病院での院内コンサートの日。
先生の転勤をきっかけにここに外来に通うようになって4年、地下1階にあるピアノのことは、来るたびに遠い位置からいつも見ていた。コンサートのチラシが張ってあるのを見たり、また実際にコンサートをやっているのを聴いていたこともあって、いつか、ここでピアノを弾けたらと思っていたのだった。
「あの人だって元気になれたんだ」
360度、どの角度からでもいい。
今日は好きなだけ自分を見てもらおう。
ベッドの上で苦しくて悲しくて寂しかった私に、退院をしていくルームメイト達がくれたお守りは”あの人も元気になったんだ”ということだった。それはどれだけ自分の希望になったことだったろう。
あともう少しだけ頑張ろう。
あともう一回だけ頑張ってみよう。
今の私はその細々とした”あともうちょっとだけ”と、かろうじてあきらめなかったことの積み重ねで在る。自分は打たれ弱いし決して強い人間ではなく、それどころか、いつだって何かの拍子にそれまで握っていた手をふと離してしまいそうになるもろい部分が大半を占めている。
でも今日はアガらないよ。
話したいことがたくさんある。
今の自分だから言えることもあると思っている。
音楽でなく自分を晒すのには勇気が要る。だってコンプレックスの大きさや、自分に対する自信の無さが小さい頃から私を音楽に向かわせてきたのだ。何か一つのことに一途になれる人間のその原動力は、ほとんどが才能ではなくいびつな構造、非常に欠落した自分への嫌悪の裏返しなのだ。
そんな自分が一歩前に出て行こう。
みなさん、はじめましてと笑顔で始めよう。
「あの人も元気になれた」
いつか病院のベッドで自分がもらったバトンだ。
ずっと忘れたことはなかった。
「みなさん、はじめまして」
150回近く続いている院内コンサート。
ポップスのコンサートは初めてなのだそうだ。
届け、届け。
ささやかな、だけど強く持ち続けてきた私の想い。
この気持ちを理解してもらい、今日この場が頂けたことに感謝している。