収録で一時半にNHK名古屋に行った。楽屋に案内をしてもらい、しばらく時間を過ごす。テレビでの演奏は、確かものすごく久しぶりなんじゃないかなぁと振り返る。演奏はしなかったが、名古屋で某テレビに出た時は、同じくゲストが黒木瞳さんだった。
<あ!本物!>
いつでも、私は田舎者。
サイン、下さいと言えなかった。
テレビの演奏の時は、テレビサイズと言って「尺」が短くなる。テレビ用にサイズを縮めて演奏をするが、晶くんとはだいたい2分43秒キープでリハーサルをしてきたので、生放送の場合はカメラの横で「もうちょっと伸ばしてくださ〜い!」と、スタッフの方のジェスチャーがあったりするが、収録の時は蒼ざめる程の緊迫感はない。ので、音リハ、カメリハ、本番と・・晶くんとは、ほぼリハ通りに演奏は同じタイムキープで行けたと思う。
カメラ映りというのはある。
晶くんはモニターで観ていると、非常に慣れた映りをしている。そして私は電気屋さんで「あれ、私今映ってるわ!」と驚く時と同じ顔で映っていた。
やはり、田舎者。
収録が済んだのは7時を回っていた。テレビは長い時間を使って収録をするんだなぁと、あらためて思ったのだ。
その後、スタッフの方々と一緒にご飯を食べる。今日一日ゲスト周りのお世話をして下さったSさんが、だんだん少女のように戻っていく表情が印象に残った。<こんな無邪気な女の子だったのかぁ・・・。>打ち上げは、こんな風にお互いがほんの少し素顔に近付いていく時間。彼女はギターを始めたばかりなのだそうだ。私もすっかり打ち解けて、今日の最初は「おはようございます」と、どこにでもある挨拶だったのが、帰り際には「今度は一曲弾けるようになっててよ〜!」と、車から手を振ってさようならをしていた。
そりゃぁ、毎回がいい出会いばかりじゃない。
でも、人との出会いはやっぱり楽しいことの方が多い。
晶くんは、妹さんと後ろの席で話をしていた。
妹さんが何の話からか、「食べ物は冷めているものの方が好き。熱いともう全然食べられない」と言っているのを聞いておかしくなった。丁度同じことを晶くんが昨日も言っていて、「変わってる〜」と言って笑ったばかりなのだ。
帰りに晶くんのご実家の近くまで行った。
待合せの場所に行ったら、車の中で晶くんのご両親は「あっちむいてホイ!」をやっていた。なんとウチの両親、しげおっちと美智子さんには絶対に有り得ない光景である。
「これ、食べて」といちご大福と、それから家で入れたという紅茶を晶くんのお母さんから頂いた。
お茶のペットボトルに入れられた紅茶があたたかかった。いちご大福も美味しかったが、私にはこの紅茶の方が美味しく思えた。
最後はお母さんの味をおみやげに。
さようなら、名古屋。
また来ます。