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投稿日:2008年08月10日

2008年08月10日

日本橋にあるお江戸日本橋亭で笑福亭銀瓶さんの寄席があるので、友人のYちゃんと行った。
「寄席」「日本橋」は私の普段の暮らしからは遠い存在だ。寄席は興味があっても行く機会がなんとなくなかったが、今回はYちゃんが銀瓶さんの知人で、私は服部祐民子ちゃんが今日の寄席でゲストで歌うというきっかけから、「じゃぁ一緒に行こう!」と約束をしたのだった。
待ち合わせは、4時半に三越の正面玄関。
私の行動範囲は山手線の西エリア、丸の内や銀座などの東エリアはあまり行くことがない。正面玄関がどこかはわからないが、足手まといにならないように三越の場所とお江戸日本橋亭の場所だけは、把握して行こう。と、それぞれのサイトに行ってアクセスマップを頭に入れて出掛けたのだった。
銀座ってどれぐらいで行けるんだったっけ。
あまり行かない場所は所要時間の想定が出来ない。少し余裕を見て家を出たら30分早く銀座に到着、10分前に三越のデパ地下から1階に上がってエスカレーターの所の地図で「正面玄関」を探していたら、そこに丁度Yちゃんがエスカレーターで下から上がって来た。
10分前にこんなにすんなり会えるだなんてすごい!
正面玄関がわからないのでドキドキしていたが・・・、銀座の待ち合わせが上手に出来た。素晴らしい。
これでもう会場にも着いたも同然。それから1時間程、デパートの中の喫茶店でお茶をして、すっかり休日のデパートに買い物に来た女性客となっていたのだった。
5時半を回った頃、
「そろそろ、行こうか」
開演は6時。少し前には席に着いておいた方がいいよねと喫茶店を出た。三越からは徒歩数分、遅くても15分前には着くなという計算だった。お互い余裕だったのだ。
ところが・・・。
「多分、あっちだと思う〜」
そう言って先導をして交差点を渡ったら、家で見てきたはずの地図と若干景色が合わないことに気がついた。
しまった。私はどうやら地図の覚え方を間違えちゃったらしい。
どうしよう。
ごめんYちゃん。私わからなくなった。
ここでいきなりのリタイア。
あとはYちゃんが覚えている地図に頼るしかない。
のだが・・・・。
「あれ?どっちだったっけ・・・」
早くも三越前で既に二人して方角を見失ってしまったのだった。
気を取り直して今度は地図にあった目印の「千疋屋」「すずや」、「三越前駅」をキーワードに今度は街の人達に尋ねることにした。
「千疋屋ならねぇ、あっちですよ」
ところが教えてもらって行く方向に目的の場所なし。そこでまた誰かに尋ねると、「その住所だとあっちですよ」と全く違う方向を教えられる。「会場まで駅から数分」のはずが三越を中心にあっちこっち歩き回り、その間ポリボックスや買い物客、パトカーや宝くじ売り場のご婦人と一体何人に尋ねたことやら。
「ここに千疋屋があるのにねぇ」
「すずやってなくなっちゃったのかしら」
開演時刻が過ぎ、近いけれどもうタクシーに乗って行こうとあきらめてタクシーに乗ると・・・。
「ねぇ、すごく駅から離れて行くよ」
「三越がどんどん遠くなっていっちゃう」
「どこに行くの、この車」
後ろの席でものすごく心細くなって居たら・・・・
「あれ!三越!」
三越を背にして車で5分程行った所で前方に三越の看板を発見。とっても驚いたのだが私達は二人して本当の待ち合わせ場所の「日本橋三越」ではなくまた別の場所にある「銀座三越」で、会っていたことにようやく気付いたのだった。
銀座と日本橋って同じ場所のことじゃなかったの。
だって、じゃさっきあった千疋屋は?
「あぁ、あれは銀座店ですよ」とタクシーの運転手さんが教えてくれた。
Yちゃんも2年前にこっちに引っ越してきた関西組。
バッタリ会えてすごいね!と喜び合っていたのに。
お互い田舎者だったか・・・・。
寄席に遅刻をして一つ目のお噺に間に合わなかった。
粋な江戸での落語を楽しむ体験が、東京で迷子になるという体験をしたのであった。