大学生だった頃、8月の下旬はサークルの合宿で志賀高原に行く時期だった。
貸し切りバスが一台、そこは下級生達が乗って3回生や4回生になると誰かが車で行くのでそっちに乗り込む。京都東インターから高速に乗って、中津川で下りるとあとはクネクネと続く県道だか国道だかの道を行く。夏のスキー場が私達の夏合宿の場所だった。
宿泊はロッジの年もあったし、ペンションの年もあって、私達のクラブは、練習もあったが厳しい雰囲気はなく、合宿は少し旅行気分も兼ねたみんなが楽しく過ごす数日間となっていたのだ。
合宿が終わると必ず数組のカップルが出来ていた。
<あれ?>
<あら?>
<もしかしてあなたたち・・>
<付き合ってる?>
恋が始まる一番のきっかけはこの合宿だった。
私は空に流れ星がたくさん流れるのを見たことが、思い出に残っている。長野って空が綺麗なんだなぁと思った。空気の澄んだ場所では、こんなにポロポロと日常的に星が流れていて流れ星がめずらしくないんだということに感動をした。
1回生も4回生も、今の私には「大学生」のひとくくりに見えるようになったけれど。
あの頃はもっと1年1年感じることが違っていて悩みも1年ごとに違っていたよなぁ・・・。
みんなどうしているかな。
一瞬で消えてしまうから、流れ星には願いごとを言えなかった。
でも、
あれから願いはいくつも叶ったよ。
写真に残せなかった思い出が、心の奥には何枚もある。
あの頃頭上にあった星達は、今日も長野の空の上で輝いている。