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投稿日:2009年07月05日

2009年07月05日

急に思い立って、前から行ってみたかったちひろ美術館に行ってきた。
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いわさきちひろさんの絵を知ったのは、中学生ぐらいの頃だったと思う。淡い色づかいだがハッキリしたイメージが印象的で、昔から今まで変わらず好きな作家さんの一人だ。私自身はあれから年月が流れて、好きなものや尊敬するもの、考え方までが随分変わった。なのに、今もなお作品を観ては「素敵だなぁ」と、初めて感動をした時と同じように思い直す。
午後にふと訪ねてみたら上は60代ぐらい、下は10代ぐらいの人が訪ねてきていて、すぐそばには割と交通量の多い道路が走っているのに、ちょこっと入ったそこは避暑地の素敵な別荘のような佇まいだった。
ここはいわさきちひろさんが最後に暮らした家のあった場所なのだそうだ。展示作品と共に、家の間取り図やアトリエを再現したコーナーがあったりして、本当に人の家に訪ねているような錯覚に陥る。
小さな美術館だが、そこここに少し腰を下ろせる場所が設けられていて、置かれた椅子達がありがたい。気軽に休憩が出来るので、結構椅子に座って休んでゆっくりしている人が居る。置かれている椅子も、いろいろタイプが違っていてそれらが家具のようにも見えるので、ますます誰かの家に来たようなほっこりした気分になる。
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カフェもとても人気のようで、私が入館してから出るまでの間はほぼ満席だった。
「ちひろの言葉」というコーナーがあって、ちひろさんがインタビューか何かで残した言葉だったりするのかもしれない。いくつかの文章が写真と共に展示されていたが、その中の「大人になるということ」というタイトルの文章がとても心に響いた。大人というのはどんな状況であっても、自分の方から一歩前に踏み出して、人を愛せることだというような内容で、「あぁ、そうなんだ。そうだそうだ」と新しい価値観をわかりやすく教えてもらえる一角だった。
ふと急に行きたくなって訪ねたけれど、夏の小旅行のような豊かな時間だった。
優しい空気が流れていた。
またフラっと訪ねたい美術館だった。