夕方、選挙の投票に近くの小学校に行った。
小学校の敷地内に足を踏み入れるのは、私の場合もうこんな時ぐらいしかない。水飲み場の高さや机や椅子など、全てが小学生のサイズに合わせて作られているので、ちょっぴり自分がガリバーになった気分になるのだ。
お転婆な小学生だったなぁ。
でも、小学生の時には学校の中の物が小さく感じられることはなかったから、確かにあの時の私は子供の目の高さで物を見ていたのだろう。
大人の選挙の投票場が小学校であるということが、少し不思議な感じもする。
そう言えば選挙権を得て最初の選挙の時は、もう何年も会って居なかった同級生に車で投票所に連れて行かれたっけ。
その日は投票日前日で、近所の商店街に買い物に行った時に「みき!久しぶり!」と、小学校の時の同級生のY子ちゃんに声をかけられたのだった。その時に「明日の投票、行く?」と聞かれたかもしれない。会話の最初はよく覚えていないが、不在者投票があるから今から一緒に行こうよと誘われて、30分後には知らないおじさんの車に乗せられていた。
後部座席にもう一人女の子が乗せられていた。彼女は少し知的障害があるようで、Yちゃんは子供に言い聞かせるように「いい?黄色い紙には@@。白い紙には@@さんの名前を書くの。わかった?」と言い復唱をさせていた。続いて私にも同じことをするのだが、その時は、あまりの急展開に頭がついていけなかったのだ。「何か変!」と思ったが何が変なのか整理出来なかった。
結局投票所に着いて「黄色い紙には@@、白い紙には@@さんって書いてね」と、更に念を押されて投票所に送り出され、その後冷静になってからは長い間選挙不信になって投票に行かなかったのだ。
「清き一票を」
今は私も投票に行く。
背が伸びて、大人になって、ガリバーは今は少しでも世の中が良くなって欲しいと願いつつ清き一票を入れたいと思っている。