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投稿日:2010年10月01日

2010年10月01日

手術後は健康な人でも麻酔などで身体にダメージを受けるらしい。私もかなり体力を消耗しているような気がする。持病の筋無力症の症状が少し出ているがステロイドが3倍の投与になったので多分これで収まってくれるとは思う。が、やっぱりどんよりとしんどい。
哺乳瓶の麻酔がなくなったので、追加をしてもらう。筋肉注射の痛み止めのかわりに今日から併用する痛み止めが座薬のボルタレンになる。
手術は肺と心膜を少し切除して、2つの山の形をした6センチほどの大きさの胸腺腫を取ったのだそうだ。この時に左側の反回神経が胸腺腫に絡み付いていたので反回神経も切除したとのことだった。反回神経というのは右と左にそれぞれあって、ここが麻痺をすると声に影響が出るらしい。加えて私の横隔膜は両側麻痺をしていて上に上がったままだったのだそうだ。声や呼吸に関係する箇所が3カ所使えなくなれば、まず声が出ないことは想定される。
昨日「おおっ、声が出てる」と先生が驚いていたのでその時はどういうことかわからなかったのだったが、使えない箇所が複数あるのに普通に会話が出来る状態に先生はびっくりしたのだった。
私の声は、10年前の手術で一度出なくなった。多分その時にもう左側の反回神経と両側の横隔膜がダメになっていたんだろう。その後何年もかかって私の声は少しずつ出るようになった。先生の説明でようやく理解出来たのだが、私の声は右側の反回神経が頑張ってそれで出るようになったのだそうだ。息が浅いのがだいぶ改善してきたのも、横隔膜のかわりに近くの筋肉が担って役目を果たしてくれるようになったからだと10年経って初めて、自分の声に関する「理由」を知った。
人間の身体は素晴らしい。私の知らないところでこんなにけなげに頑張って支えてくれたとは・・・。そう思うと急に自分の身体が愛しくなり、そして感謝の気持ちでいっぱいになった。
今日は左側に刺さっていた点滴の針が一つなくなった。
酸素濃度が今ひとつ上がらず93前後のままだが、夜には鼻の酸素チューブも取ってもらい、だいぶ身軽になった。
個室なのでトイレがすぐそこにある。私のお出かけはこのトイレに行くことだ。トイレに行くだけで管もお供に連れて行かねばならず面倒臭いのだが、それでも一人で用を足しに行けるって幸せだ。自由をこんなところで味わうのだ。
熱がなかなか下がらない。
また8度台に上がったので、抗生剤がまた追加される。
明日には熱が下がっていますように。