今年の秋は読書の秋だ。
入院をする当初は、病室でパソコンをどうにかして使える方法はないだろうかとあれこれ方法を考えていたのだったが、ふと「病院に居る間はいっそ思い切ってパソコンのことを忘れてみよう。その間を読書の時間に費やそう」と思ってから、本を読む時間が圧倒的に増えたのだ。
友人おすすめの重松清を数冊、上原隆を数冊読んでから沖方丁の天地明察を読んで、そのあと一冊も読んだことのなかった東野圭吾を一冊読んだら今度は東野圭吾にハマってしまって、この一週間で東野圭吾作品を続けざまに一気に6冊読んでしまった。
私は短編ものかエッセイが好きだったので、まさか今になってミステリー小説にハマるとは思わなかったが、理由は一つコレだというのがある。東野さんの小説は「間取り」好きの私の心をグっと掴んだということなのだ。東野さんの小説に出て来る家の中や別荘の中は、すんごく中の様子が細かく描写されているので、まるで映画を観ているかのような映像になって頭に描ける。かつて私は愛読書が「エイブル」だったこともあって、こういう家の中の様子がよくわかる本にワクワクしてしまう。
殺人事件の犯人や動機などの人間関係よりも、小説の中に出て来る屋敷の中に興奮してしまうみたいなのだ。
やっぱりちょっとどこかズレた読書になっているような気もするが・・・・。
東野圭吾さんのミステリーは面白い。家の間取りやマンションのチラシを見るのが好きだという私と似たようなシュミの人には「回廊亭殺人事件」「十字屋敷のピエロ」「ある閉ざされた雪の山荘で」「仮面山荘殺人事件」をおすすめしたい。
屋敷やペンションの間取りは覚えているが、犯人が誰だったかあまり覚えていない私なのだ。