ハロウインも終わっていないというのに、もうネットではおせち料理の予約が始まっているのだ。
秋になると一気に日が過ぎるスピードが早くなるというのは、こういうイベントのお知らせものが一気に押し寄せて来るからなのではないかと思うのだ。だって年が明けて一月だと、気が早いと言ってもバレンタインやひな人形の宣伝ぐらいだが、この時期になると「秋の味覚祭り」があり、「もうすぐ紅葉のシーズン到来!」があり、ディズニーは「ハロウィンパーティ」を開催するし、そうすると日本郵便が年賀状のコマーシャルを流し出す。クリスマスイルミネーションも控えているし、「お歳暮は高島屋で」と言っているしで、いろんなものに袖を引っ張られていることに気づくのだ。
栗やサンマが美味しいよと言われ、温泉にかぼちゃのお化けが手を招くし、ボ〜っとしていたら肩を叩かれて年賀状を忘れずにねと念を押される。早く注文したら安くなりますよとお歳暮のお知らせをされ、クリスマスケーキはアイスケーキにする?と聞かれて、おせちもよろしくねと言われたらもう頭の中がわけがわからなくなってくるのである。
それでポストを開けたら開けたでまたいつものように通販の雑誌が入っているのである。
秋はごった煮の季節。
いろいろせかされて「あ〜〜っ、もうわかってるってば」と言いたくなる時がある。
しかし、毎年「おせち」に興味がなかったが、年齢のせいか次のお正月は「おせち料理」で迎えたくなってきた。
おせち料理を「ただの酸っぱいもん祭り」だとしか思えなかった私も、年と共に随分考えが日本式に変わってきたのである。