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投稿日:2010年10月18日

2010年10月18日

入院をしたり、通院をしたりするようになってから10年になるが、最近謎に思っていることがあるのだ。
それは院内に聞こえて来るアナウンス。
「最近、院内におきまして置き引き等の被害が多く発生しております。貴重品には十分注意し・・・<以下省略>」
最初に入院した三鷹の病院でも聞いた。その後病院をかわってもこのアナウンスは流れ、大塚の病院そして今通院しているお茶の水の病院でも、”最近、置き引きが多いから注意して下さい”と呼びかけている。
で、耳慣れた言葉であるにもかかわらず「最近、多いんだわ」と毎度ハっとしたようにアナウンスを聞き、自分も「注意しよう」と戒めるのだが・・・。
最近、最近って・・・・。
「最近」はどれぐらいの期間?
10年間も「最近」って言っているのは変なのだ。
少なくとも私が聞いたのは10年、なのでもっと前から言い続けられているとしたら、30年ほど「最近」という括りになっていたかもしれない。もしかしたら極端な話、研修医だった人がエラくなって、やがておじいさんになり引退した間、アナウンスはずっと「最近、置き引きの・・・・」と変わらなかったかもしれないのである。
「実は・・・病院始まって以来、置き引き被害が後を絶ちません。」で始まるアナウンスが一回ぐらいあったっていいんじゃないだろうか。あの「最近・・・」で始まるアナウンスはただのフォーマットの文章で、それこそもう録音か何かしてあるのをボタンでポチっと押したら勝手に流れる仕組みになっているのではないだろうか。
要は病院は置き引きの被害がちっともなくならない場所なのだ。盗みに入る人間にとっては、あまっちょろい場所なのだ。
変わらないアナウンスは危機感が薄いとも言える。
「最近・・・」というアナウンスを聞いて、待ち合いのソファに腰をかけた男が胸の中で笑う。
<相変わらずのほほんとしてやがるな>と、一番ホっとしているのは泥棒かもしれないのである。