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投稿日:2010年10月23日

2010年10月23日

手術を受けてから3週間とちょっとが過ぎた。傷の長さは15センチぐらいで左胸の輪郭に沿ってあるが、傷自体は思ったほど痛みがない。痛みは術後から身体の内側の方が強く、イメージとしてはブロックのようなザラザラしたコンクリート片が身体の内側から外に向かってゴンゴンと暴れているような、そんな重たさがあって、ジッとしていても痛みで体力を奪われているような感じがしていた。
痛い時は「この痛みがいつか消える」ことが想像出来ないもので、「痛くなくなった時の感じ」がすっかり頭の中からなくなっていたのだが、ようやく「痛くなくなってきたような気がする」感じがしてきた。
いろいろ神経も切っているから、身体の中も怪我をした状態だったのだと思う。が、細かい神経はまた再生するらしく私の体も頑張っているらしい。
そうか。自分の身体は健気に明日に向かって前向きにやっているんだなぁ。
そう思ったら元気が出て来た。
痛いとつい痛みに思考を占領されてしまう。
左を下にして寝るということが痛くて出来なかったが、そぉ〜っと左向きになってみたら前よりも痛みがひいていた。
傷は、こうして緩やかに癒されていくものなのだ。
雑誌や何かの恋愛相談のコーナーで、失恋をした人に「傷ついたこともいつか時が解決してくれます」と言っている言葉が、言葉的には理解出来てももう一つピンと来なかったのだが、今少しずつ身体が楽になってきたことで実感がようやく湧いてきた。
傷ついても、いつか時が解決してくれる。
ベッドで左向きになってみて、うんうんと頷いたのであった。