日別アーカイブ : 2010年2月14日

投稿日:2010年02月14日

2010年02月14日

バレンタインデー。
チョコレートで変わった思い出があるのは、中学生の時のことだ。
私は中学生の頃、電車に乗って4駅先にある茨木の学習塾に通っていた。我が家は買い食い禁止、でも時々近くのお菓子屋さんでお菓子をこっそり買って食べられるのがこの塾の日だったのだ。
しかし、お小遣いがなくおやつが買えない時だってある。
その日、塾に行くのに電車に乗ると、前の席に小さな男の子がお母さんと一緒に座っていた。その子供がチョコレートを食べていたのだ。確かハイクラウンチョコレートというやつだった。
美味しそうにチョコを食べる男の子。
いいなぁ。
私も食べたい。
しばらく物欲しそうに見つめていたのだったが・・・。
ふとそこで思いついたのは何故かしら、チョコレートの味を自分も想像しようということだった。中学生のフツーの女子にしては変わった思考だと思う。しかし、私がチョコレートを食べる術はもうそれしかなかったので、電車に乗っているその4駅区間、私はチョコレートの味だけを思い続けることにしたのだった。
どれぐらいか時間が経った。
すると・・・・
あらま、不思議。
ある瞬間を境にチョコレートの味が口の中にしてきたのだった。
「美味しい!」
その時に私の口の中には確かにハイクラウンチョコレートがあった。ミルク味かセミスイートかは定かではなかったが、すんごく感激した。
トライしたのがその一度だけだったということもあるだろうが、念力でチョコレート味を呼び起こしたのはその一度だけだ。
今は食べたくなったらすぐに買えるだけの財力を持っている。
おかげで想像力がなくなった。
お金を持つと研ぎすまされた感覚が鈍くなる。
私の経験した話なのだ。