午前中の番組で掃除機の通販のコーナーをやっていた。
通販の番組は、出演者が商品を紹介をしたり時には一般の人が出て来たりする。今日は一般の人が登場し、そのお宅で新しい掃除機の効果を実際に確かめてみるという形で、番組は進んで行ったのであった。
まず一般のお宅の、そこにお住まいのご婦人が画面に出て来る。お家も素敵でご婦人も素敵な奥様、最初はお家での掃除についてインタビューに答えたりしていた。
なんとなく品のいい感じで会話はされていたのだが・・・。
インタビュアーって恐ろしい。
掃除機の紹介なので、掃除機の威力を伝えなければならないのはわかってはいるが、「それでは、こちらのお宅の今お掃除をされたお部屋の中を計測してみましょう」と言って、その後急に態度を豹変させたのだった。
「ご覧下さい!」
「ダニの死骸が160も!」
声がワントーン上がって
「そしてカビの胞子が、なんと42000!」
おえっ。
42000という数字がおぞましい。
「それにそれに、昆虫の死骸までありました!」
こちらのお宅が不快に思うというより、仕事とは言え他人の家の中の汚さを大げさにさも不潔そうに言ってのける出演者の女性の方が私はよっぽど不快なのだ。他人の家でなく自分の家を計測して今の発言をした方が、うんと表情に焦りが出て役目を果たせたと思うのだが・・・。
奥様はムっとする表情もせず、新しい掃除機を使って笑顔になっていた。
奥様も奥様役のお芝居をしただけのタレントさんなのかもしれないが、私はこの通販の番組の中で聞く「ワントーン高い声」がとても嘘くさくてイヤなのだ。このバージョンしかないのかと思うほど、通販会社はみな同じビックリ加減で商品のすごさをアピールする。
まぁ、しょうがないんだろうか。
昔、ラジオの番組でスポンサーがついたコーナーで出された食べ物を試食した際にオンエアで「なんか・・・変な味!」と言ったら、ものすごい焦ってプロデューサーさんがバツマークを私に出していたっけ。
それにしても通販の番組は変。
出演者の反応やキャラクター全てが、私の日常にある人間関係にはない独特の嘘くさい空気感がある。