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投稿日:2010年05月04日

2010年05月04日

夜、財布の中を整理していて2枚の一万円札の絵柄がそれぞれ違うことに気がついた。
見比べたら裏面が全然違うじゃないか。
片方はキジみたいな鳥が二羽描いてある。そして片方は頭がニワトリで体が鳥人間のような、やや化け物のような鳥の絵。
「どういうこと?」
「もしかして偽札なの?」
表側を見比べた。すると一見同じように見えるのだがやはりこちらも両方共デザインが違っている。壱万円の文字のレイアウトや額デザインが見れば見る程全然違っていることに気がついたのだった。
みるみるうちに自分の血圧が上がっていくのがわかる。
<私、偽札をつかまされちゃったんだわ>
<でも、どこで?>
<何枚かもっていたのかしら>
<ということは、もうどこかで使っちゃったりもしたのかしら?>
<私、逮捕されるんだ>
一人暮らしだと、こんな時誰も自分について証言してくれる人がいないという後ろ向きな気分になり、一瞬にして奈落の底に落ちた気分を味わうのだ。
次に考えたのは、「ではどちらが偽札なんだろう?」ということだった。
じ〜〜〜っ。
キジ二匹の方が本物っぽい。なんかこっちは私も見覚えがあるような気がするのだ。それに比べて鳥人間の絵の方はレイアウトがおかしい。鳥は左に一羽描いてあるだけで右側がなんかスカスカしていて一万円札らしい迫力に欠ける。
しばらくして、ようやく冷静になってきた。
「そうだわ、インターネットで調べてみればいいんだわ」
インターネットのある時代に生まれて本当によかったのだ。
そしてネットで調べてみると・・・・。一万円札は5年前にデザイン変更になっていることを知ったのだった。そういえばそんなことをニュースで見ていたような見ていなかったような、うっすらと記憶が蘇って来た。キジの方がD号券と呼ばれているもの、鳥人間は鳳凰の絵でE号券なのだそうだ。
よかった。
二枚共本物だった。
しかし、見比べたら今の一万円札の方が絵柄が嘘っぽい。鳳凰の絵が更に嘘っぽさを醸し出していて、この絵を使うのなら個人的には手塚治虫の火の鳥の方がよかった。
数年前、伊藤博文の肖像の千円札を店のレジに出して「きゃ〜、何これ」「知らな〜い」「初めてみた〜」と化石でも見つけたのように盛り上がっていた小学生らしき女子達を見た。「きゃ〜、懐かしい!」じゃないのねとジェネレーションギャップを感じたのだが、うんと未来になってこの二枚の一万円札についても「きゃ〜、何これ」「こんなの見たことな〜い」と言っているかもしれない。
何はともあれ、二枚共使えるお金でよかったのだ。