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投稿日:2010年05月19日

2010年05月19日

最近、妙に気になるCMが渡辺謙さんの出ている携帯のCMなのだ。
「私のことを渡辺謙とおっしゃる方がいるんですがとんでもない」
「私、携帯なんです。彼の」
で始まるCMだ。
普通にスーツを着た渡辺謙が、ピッタリと持ち主の岡田将生にくっついているのが不気味なのだ。
「いつだって私は彼のそばにいます」
「当然です、役目ですから。いえ、運命ですから」
ちょっと笑った顔がますます不気味に思えて来る。
この薄気味の悪さはなんだろう、何か以前にも同じ感覚になったものがあったなぁと思い出してみたら、江戸川乱歩の「人間椅子」を読んだ後味がそうだった。「人間椅子」は自分の座っている椅子の中に男が入っていたというショッキングな展開のところがあるのだが、あれを読んだ時のゾゾ〜〜〜っとした感触と同じ感じがしたのだ。
「キモい」ってこの感じのことを私の場合は差す。
最後に渡辺謙が「あなたの携帯は、どんな人ですか」と言っている。
人間椅子を重ねてしまうと、携帯を擬人化すれば「人の話をそっと盗み聴きしてほくそ笑んでいる不気味なひと」が想像されてしまう。
人じゃない例えの方がよかった。例えば、どんなワンちゃんですか。だったらもう少し気分が和らいだ気がするのだ。
携帯は確かに今や一番身近な存在になった。
見える背後霊を私達は身近に置いているのである。