我が家のバラもようやく咲いた。日当りのいい家だと少し前ぐらいから立派な花をつけ出していたが、うちは去年より出足が遅くどうなるのかなと少し心配になったが、4種類のバラが一斉に咲いてくれた。
隣の町内に行くとつるバラの綺麗な家があり、その家にあこがれてそのご近所の数軒がつるバラをやっている。今そのエリアはとても綺麗なバラエリアになっている。園芸雑誌で見るような何種類ものバラで敷地が覆われていて、こんな時「あぁ、家が欲しいなぁ〜」と夢を抱くのだ。
でも我が家のバラは文句も言わずに咲いてくれた。
「もっと広いお家に住みたい!」
とも言わずに・・・。
花木は確かに鉢植えでなく地植えにしてあげたい種類のものがあるので、庭に植えてあげられたらどれほどいいかと思うのだが、しょうがない。賃貸仕様に収まってもらうのだ。
ありがとうね。
咲いてくれたらすごく嬉しい。
白いのがつるアイスバーグ、ピンクのが今年の春に植えてみたつるレオナルド、ダ・ヴィンチ、つるテラコッタは大輪のレンガ色、壁に這わせたのがポールズヒマラヤンムスク、まだ3メートルぐらいだが7〜8メートルぐらいまで伸びる種類なので、来年はもう少し壁を覆えるかもしれないのだ。
「バ〜ラが咲いた、バ〜ラが咲いた、真っ赤な〜バラ〜が〜」
子供の頃何度もレコードをかけてもらって聴いた、大好きだったマイク真木の「バラが咲いた」という歌。
「さ〜びしかった僕の庭にバラが咲いた〜」
バラが咲くと、本当にその家に寂しい感じがしない。花が咲く家はいろいろあれど、バラは特別明るい力みたいなものが強いような気がするのだ。
玄関の前に立つといい香りがした。
<お母さん、あなたの好きだったバラの咲く家に、今私も暮らしていますよ>
水色の空を見上げたのだった。