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投稿日:2012年07月17日

2012年07月17日

午前に食道、胃、十二指腸の内視鏡検査があるので今日の朝食はない。
朝ご飯がないだけで、まるで罰でも受けたような気分になるから、自分でも卑しいなぁと思う。
ご飯、食べたいなぁ。
それに検査が迫っていることも憂鬱の種だ。
数年前、同じように胃の内視鏡検査を受けた時の私はまだあの恐ろしい検査の内容も知らず、検査室にさほど緊張せずに行ったのだ。
最初にジュースみたいなものが入った紙コップを渡され、まるでカルディコーヒーファームの店内に入った時のあれと同じサービスを受けたことで、なんだか一気に気分がほぐれたのだが、その後黒いホースを口から入れる過程以降は、自分の身体の内側から妖怪がゲロゲロっと出て来るかと思う程、身体の中に邪悪なものが暴れている苦痛の連続だった。
検査、やっぱりやめとく‼
無邪気に言って帰れたらどれだけいいだろう。
あぁああ…。
もんもんとしたまま、昼前となりそしてようやく検査室から呼ばれたのだった。
紙コップのジュースを飲むと…この後喉に麻酔をシュッとかけるらしいのだが、数年前に歯科麻酔で痙攣を起こしたことで今私はキシロカインという麻酔薬を使っていない。麻酔の薬は種類が他にもあってその後抜歯はキシロカイン以外の薬で処置してもらったのだったが…。
「では、麻酔なしでやりましょう」
ま、麻酔なし…。
麻酔のチクッも嫌いだが、麻酔なしはもっと嫌い。まさかの麻酔なし…。そうしてまたあの恐ろしい検査が始まったのだった。
「肩の力を抜いてね」
「そうそう、上手上手」
優しい看護師さんが肩をトントンと叩いて応援してくれるのが、こんなにも心強いとは。具合が悪い時にさすってくれる母親の手ってやっぱり神の手なのだ。ママって呼びたいぐらいであった。
ぐ、ぐえっ。
内視鏡検査は数年前と比べて無痛化の方向には向かってはいなかった。やはりホースが入ると私の中の妖怪が目覚め暴れ今回も相当な地獄だった。
検査が終わってホースが身体から抜かれると、また大人の対応が出来る自分が戻って来たのだが、妖怪モードを晒してしまったことで、1人なんだかバツが悪かった。
「胃も貧血で真っ白ですね。」
それ以外は特に問題がなさそうだということでホッとした。
検査は終わって結果を聞くまでずっとモヤモヤが晴れないから、問題ないと言ってもらえるとようやくそこで力が抜ける。何はともあれよかった。
引き続き血液検査のため、採血を受ける。
血が少ないので採血で血を採られることがもったいなく感じる。
輸血を受けたのは、2000年の止血手術を受けた時から今回が二回目。元気な頃の私は「痛いのがいやだから」とさして深く考えることもなく献血に協力をしてこなかった。
意識がある状態で輸血を受けたのは今回が初めてだったから、A型と書かれた血液パックをベッドに横たわり見上げながら、感謝と共に献血に対して非協力的だった自分に今更ながら胸が痛くなった。
今日からナースステーションから離れた病室に移動をした。
ゆっくり歩いているせいか、息切れもなくなった。