昨日の採血の結果、ヘモグロビンはまた少し下がって6.8になっていた。
尿検査も院内では出来ないもっと細かい検査を外注で出しているということで、あとはやはり骨髄穿刺を受けるのが次の検査になるということだった。
本当は明日の予定だったのだが、キシロカインアレルギーの疑いで一旦白紙に戻ってしまった。
麻酔の方法を今検討中ということで、結論が出ればまた予定が見えて来るとは思うのだが…。
ずっと前に入院をしていた病院では、トイレの脇の小部屋には患者さんの蓄尿の瓶がズラッと並んでいた。それらはまるで梅酒を作っている瓶が沢山並んでいるかのような景色だったが、医療機器もあれから進歩したのか、今居る病棟では洗濯機をひと回り小さくしたような器械が管理を担っている様子。
「おなまえをかくにんしてください」
しばらくすると洗濯機の蓋が開いて、「にょうをいれてください」
と、宇宙人のような声で言うのだった。
「ふたをしめます」
そのあとは、ギー、ガッタン…という器械音がして、最後に量ともう一つ何かの値が表示され、そのあと”洗浄中”という表示が出て脱水機が回る音がしたら一回のお仕事は終了といった形になる。
よく出来てるよなぁ。
一体誰が思いついて開発がされていくのかわからないが、こういった「進化」のアイデアについて、何一つ思いついたことのない私はただただ感心するのだ。
梅酒がズラリ、という時代はもうないのかもしれない。
病室近くの病棟の廊下から見えるのは電気街から少し外れた秋葉原の街。マンションがいくつか見えて、人びとの暮らしが遠くに灯りとなって見える。
9時の消灯時間にも慣れて来た。
都会の高い塔の上にチカチカと瞬く、赤いランプが私の好きな夜の明かり。
でも同じぐらい、人びとの暮らしの明かりが好きだ。